小林製薬の紅麹問題を受けて開催されている、「機能性表示食品を巡る検討会」で議論されている制度改正の方向が見えてきた。検討会で中川丈久座長は、(1)健康被害報告の義務化(2)GMPの義務化(3)パッケージの義務表示内容の追加─を制度改正に盛り込む方針を示している。(1)については、医師の診断を受けた健康被害報告は全て、消費者庁に報告させる内容になる可能性が高い。(2)に関しては、サプリメント形状の機能性表示食品について、準備期間を設けた上で、GMPの義務化を求める方針だ。(3)では、「パッケージに『医薬品・トクホではない』と分かりやすく記載する」案などが上がっている。これらの改正が、内閣府令やガイドラインの改正などを通して制度化されることになりそうだ。「最新の情報の更新の責任が届け出者にあることを明確にする仕組みを導入すべき」といった、「更新制」を導入することを求める意見も上がっている。健康食品通販事業者からは、「想像よりも地味な制度改正になりそうだ」といった声も上がっている。
■「厳しすぎる規制」はない
中川座長は、4~5月にかけて開催されてきた、第5回までの会合で、「機能性表示食品制度の規制を厳しくしすぎると、無規制の、その他の『健康食品』に流れるだけの結果に陥る懸念がある」旨の発言を何度も繰り返してきた。中川座長の言葉通りか、機能性表示食品の届け出事業者が、立ち行かなくなるほどの過度な規制が盛り込まれることはなさそうな見通しになってきている。
検討会の議論の中で有力と考えられた17個の意見を、別表にまとめた。第5回までの検討会では主に、「健康被害情報の報告のルール」「製造・品質管理」「消費者への情報伝達」という三つのテーマに基づき議論が行われた。5月23日午後5~7時に予定されている最終回(第6回)の検討会で、取りまとめに向けた議論が行われることになる。
■医師の診断は必須か
「健康被害情報の報告のルール」について中川座長は、
(続きは、「日本流通産業新聞 5月23日号で)
【機能性表示食品】GMP、健康被害報告は義務化へ/届出情報の「更新制」の導入も(2024年5月23日号)
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