特商法・消契法/政府/改正案を閣議決定/違反事業者への厳罰化に力点

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政府は3月4日、特定商取引法(特商法)と消費者契約法(消契法)の改正案を閣議決定した。違反事業者に対する罰則強化と、消費者被害を回復しやすくする内容が目立つ。被害者への返金計画を策定するよう、行政が事業者に指示する規定も盛り込まれた。両改正法とも今国会で成立すれば17年中にも施行される見通し

特商法行政が返金を指示
 特商法改正案は違反事業者への罰則強化が目立つ。業務停止命令の最長期間を現行法の1年から2年に延長。「不実告知」を行った法人への罰金を最高1億円に引き上げたほか、「指示処分違反」に懲役刑を導入する。
 行政処分を受けた企業の役員や経営幹部が、業務停止期間中に同業種の別法人を立ち上げたり、経営したりすることも禁止する。
 行政処分を受けた事業者に対して、被害者への返金計画の策定を行政が指示できるよう条文を書き換えた。
 行政は不実告知などを行った事業者に対し、「不実告知の中止」「行政処分を受けた事実を顧客に通知すること」といった指示と同時に、「解約や返金を求める顧客に対する返金計画の策定」も指示できるようになる。
 事業者は返金計画に基づき、被害者の救済を行いながら、定期的に履行状況を行政に報告する義務を負う。返金や解約の対象範囲は事業者側が決める。事業者が策定した計画書の合理性を行政が判断、許可する。
 指示処分に違反した事業者は、業務停止命令の対象となる上、罰金100万円以下または6カ月間以下の懲役が課される可能性がある。
 計画書通りに返金が進まなかったとしても、「事業者に悪意がなければ、即座に業務停止命令や刑事告訴を行うものではない」(消費者庁・取引対策課)と言う。返金計画の履行を含め、指示処分に対する事業者側の対応を「総合的に判断して処分を決める」(同)としている。

消契法
不当契約は無効

 消契法の改正案は、契約取り消しの範囲を拡大したほか、無効となる不当契約を例示した。

(続きは「日本流通産業新聞」3月10日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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