通販・EC企業によるSDGs関連商品の販売が拡大している。楽天グループ(楽天)が「楽天市場」内のサステナブルな商品をまとめて紹介する「EARTH MALL(アースモール)」の22年における流通総額は、前年比211%増に拡大したという。博報堂と三井物産が共同で設立したEarth hacks(アースハック、本社東京都、関根澄人社長)は今年7月、CO2削減の指標である「デカボスコア」導入商品を購入できる「Earth hacksモール」を「ヤフーショッピング」に出店した。BtoB通販大手のアスクルは、PB商品の環境配慮レベルを独自に数値化した「環境スコア」を表示し、SDGs消費を促している。「環境スコア」の高い商品はコンバージョンレートが高まる成果も出ている。SDGsへの意識が高まる中、通販・EC各社は分かりやすくSDGs商品を購入できるように、スコアを明示したり、記事コンテンツで商品の背景を紹介したりしている。
楽天は18年11月、「EARTH MALL」を開設し、「国際フェアトレード認証」「有機JAS認証」「FSC認証」など12の認証に基づいた商品や、日々の環境の変化に応じてサステナビリティにつながる商品を選んで、紹介している。
サイト内では、「フェアトレード」「オーガニック」など八つのキーワードを設け、記事コンテンツで紹介する商品が該当するキーワードを明示している。
取扱商品は徐々に増え、23年4月時点で約14万1000点を紹介している。22年のサイト訪問数は前年比125%増と伸びており、流通総額も同211%増と拡大している。
訪問数や流通総額の急速な伸びの要因については、「外的要因としては、コロナ禍を経て、ECでのお買い物が定着してきたことに加え、サステナブルやSDGsというワードが浸透し、それらの価値観がお買い物の際の一つの判断指標となってきていることが考えられる。内的要因としては、自治体と協働したキャンペーンの実施や、『編集部のお買い物日記』といったサステナブルな商品を紹介するコンテンツの発信などによる認知拡大、アクセス数増が挙げられる」(広報)と分析している。
今年8月に開催する大型イベント「楽天オプティミズム」では、「ふるさと応援バル」と題し、愛媛県などの自治体が「EARTH MALL」で販売している商品や、ふるさと納税返礼品を使った料理を提供する催しも開催する。リアルのイベントでも「EARTH MALL」の取り組みを紹介し、さらなる利用者獲得につなげる。
■デカボスコアで消費喚起
博報堂と三井物産は今年7月、温室効果ガス削減を目指す新会社「Earth hacks(アースハックス)株式会社」を共同で設立した。新会社では、商品やサービスの二酸化炭素排出量の削減率を示す「デガボスコア」の普及にも取り組んでいる。
「デガボスコア46%」と表記された商品は、通常の方法で商品を製造したときと比べて、二酸化炭素を46%削減して製造したことを表す。
(続きは、「日本流通産業新聞」7月27日号で)
【通販で広がるSDGs消費】 楽天「EARTH MALL」は流通3倍/「スコア」「記事」で訴求する企業が増加(2023年7月27日号)
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