サンクゼール/東証グロース市場に上場/「店舗」「EC」さらに強化、相互送客も促進(2023年1月12日新年特大号)

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久世良太社長

久世良太社長

 「久世福商店」や「St.Cousair(サンクゼール)」などの食品店舗ブランドを展開するサンクゼールは22年12月21日、東京証券取引所グロース市場へ新規上場を果たした。上場後は、より一層「店舗」「EC」「OMO」「サプライヤーネットワーク」を駆使して、消費者により良い商品と体験を提供していく計画だという。
 サンクゼールの22年3月期の直営・FC(フランチャイズ)店舗の売上高は、前期比26.5%増の105億3000万円、EC売上高は同25・0%増の9億円と、コロナ禍で店舗・ECともに売り上げを伸ばしてきた。
 上場後の事業戦略として、主に(1)サンクゼールが強みとするサプライヤーネットワーク(2)店舗運営(3)EC運営(4)店舗とECの相互送客(OMO)など─に注力していく計画だ。
 サンクゼールは自社畑と自社工場のほか、日本全国500社以上に及ぶ生産者と協力して商品を開発している。上場後も生産者こだわりの商品を店舗、EC、ホールセールなどで国内外に販売するとともに、多様なチャネルで集めた消費者の声を生産者にフィードバックし、より良い商品開発に生かしていく。
 店舗運営では地方の商業施設や百貨店を中心に出店を続けていく。業績拡大が難しかった都市部での出店は制限し、過去のデータ分析から採算が取れる地方への出店を強化していく。
 「精力的な店舗展開は、ゆくゆくは当社のECサイトを知ってくれるきっかけにもなってくれるはずだ」(久世良太社長)と捉えている。
 サンクゼールのEC売り上げの半分は、ギフトが占めており、上場後もギフトに特化したサービスと商品に注力する。
 「オリジナルメッセージカードを添えられるギフトサービスが好評を集めている。なかなか他社には見られないサービスだろう。今後もこのサービスには注力しつつ、新たなEC限定サービスも開発していきたい」(同)と話す。
 精力的に出店を続ける戦略がOMOを強化する施策の一環になっている。ほかにもアプリを活用し、店舗とECの購買データを共通化し、最適な販促展開を実現する。
 「個人的な希望だが、今後5年以内にEC売上高を20億円にまで増加させていきたい」(同)と意気込みを示す。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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