〈総合通販の秋冬商戦〉 立ち上がりは前年並み/フリースや裏起毛素材に動き

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「シャツ腰巻風スカート付レギンス」も売れ筋商品

「シャツ腰巻風スカート付レギンス」も売れ筋商品

総合通販企業の今秋冬商戦は、受注状況が前年並みの立ち上がりとなっているようだ。残暑の影響が例年より短かったことで秋物商品の出足はまずまずだったが、10月以降は暖かい日が続き、冬物の動きがやや鈍化気味で推移している。衣料品ではフリースや裏起毛などの素材を用いた商品の動きが順調。保温性を持たせた機能性素材や肌触りがいい商品への需要が高まっている。複数購入者を対象にした割引販売商品の動きも目立っている。一方、残暑が短かった影響で「シャツの動きが鈍い」といった声や、近年ジャストシーズンを求める傾向があることからコートやブーツなどの立ち上がりが鈍化しているようだ。

ベルーナ、9月は2桁増

 9~10月の販売状況については「前年並み」と回答する企業が多かった。ディノス・セシールによると、イマージュブランドの商品は「秋物の出だしが早かった」と説明。理由は昨年と比較して早い時期に気温が下がったためだ。この傾向は他社にも現れているようで、ベルーナも「気候がよかったこともあり、秋冬シーズンはまずまずの出足」としている。
 千趣会によると10月以降、気温が暖かい日が続いていることから「冬物の動きが鈍い状況」としているが、「気温がもう少し下がると例年並みの受注に戻る」と予測している。
 総合通販各社における9月度の販売状況(前年同月比)は、千趣会が前年同月比0・5%減、ニッセンは同4・0%減、スクロールは同1・5%減で推移。ベルーナだけが増収で同17・5%増だった。
 ベルーナの2桁増はホテル事業が加わったことや店舗販売事業が好調だったためだが、衣料品と家具・雑貨による総合通販事業の売上高も同14・8%増の推移となっている。


綿混素材好調な千趣会

 ベルーナの商品で立ち上がり好調なのが「あったか裏フリース柄ロングシャツ」と「シャツ腰巻風スカート付レギンス」。
 「ロングシャツ」は裏が全面フリースとなっており、シャツでありながら暖かい点と、流行のチェック柄とロング丈が支持されたとみている。1990~2490円(税別)という手頃な価格設定も奏功したようだ。
 「スカート付レギンス」は、1枚で流行の腰巻コーディネートが行えるというもの。ヒップを隠せるので体型をカバーすることもできる。シャツ風スカートと一体化しており、ずれたり落ちたりすることがないという。
 スクロールでも「チュニック」や「ハイストレッチ系の裏起毛パンツ」が売れ筋となっている。季節に合致したとともに、着心地の合うサイズやコーディネートのしやすさが好調の要因となっているようだ。
 綿混素材を用いたオリジナルブランド「ホットコット」が好調なのは千趣会。肌触りがよく暖かいという機能性が既存顧客に浸透しており、リピート購入につながっている。今年は9月1~28日の期間、まとめ買いによる早得キャンペーンを実施したことも寄与したとみている。

(続きは「日本流通産業新聞」10月29日号で)

ベルーナで売れ筋商品となっている「裏フリースチェック柄ロングシャツ」

ベルーナで売れ筋商品となっている「裏フリースチェック柄ロングシャツ」

好調の「ハイストレッチ系の裏起毛パンツ」

好調の「ハイストレッチ系の裏起毛パンツ」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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