健康食品OEMのミナト製薬(本社東京都、義村三郎社長)は1月5日、東京地裁から破産手続き開始の決定を受けた。負債総額は15億454万円(東京商工リサーチ調べ)。
同社の設立は1943年。約40年前に健康食品事業を開始したという。近年は、主力の桑葉青汁を中心に、健康食品OEM事業を展開していた。
東京商工リサーチの調べによると、ピーク時の2000年8月期の売上高は35億1347万円。20年8月期の売上高は、約13億900万円まで落ち込んでいたという。
2011年3月の東日本大震災の際の原発事故の影響で、主力であった福島県の農場での、桑葉など青汁原料の生産ができなくなり、九州の農場での生産に切り替えたことが、業績に大きな影響を与えたという。
近年では、20年のコロナ禍における国産マスクの増産が、経営の足を大きく引っ張る形となった。急激な需要拡大の中で、国産サージカルマスクの大規模増産を行ったが、安価なマスクの普及に伴いキャンセルが続出。数千万円単位ともされる不良在庫を抱えることになったという。
ここ最近は、いつ倒産してもおかしくない状況が続いていたようだ。
起死回生を図るべく桑葉粉末を配合した機能性表示食品の開発にも取り組んでいたが、資金不足により、研究を進められない状況だった。
破産管財人は、みなと協和法律事務所の縣俊介弁護士。債権者集会は、4月18日に開催予定だ。
ミナト製薬/破産手続き開始を決定/負債総額は15億円 (2022年1月13日号)
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