連載65 改正薬事法の化粧品に関する注意点は?

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11月25日に薬事法が改正されたそうですが、化粧品の事業者にとって気をつけなければならない改正点は何ですか?(化粧品通販会社担当者)

品質、有効性、安全性など注意図ることが必要


 今年は6月21日に一般用医薬品のネット販売解禁に基づく改正があり、さらに、11月25日にも大きい改正が行われました。
 直近の改正のポイントは大きく分けて四つありますが、特筆すべきは、「薬事法」という題名がなくなってしまったことです。
 新しい法律名は「医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律」になり、略称は『医薬品医療機器等法』となりました。
 その他のポイントとしては(1)医薬品、医療機器等に係る安全対策の強化(2)医療機器の特性を踏まえた規制の構築(3)再生医療等製品の特性を踏まえた規制の構築─が挙げられます。
 上記を見た限りでは”化粧品”についての改正点は出てきていませんが、製造販売業者に関する内容として化粧品が絡む部分も若干あります。逆を言えば、製品化されたものを販売するという広告活動のみでみれば、標榜の範囲等においてのルール改正はありません。
 なお、製造販売業者として見るならば、(1)新法第1条の中で、医薬品等の品質、有効性および国、都道府県、医薬品等関連事業者等および医薬関係者の責務ならびに国民の責務の項目が新設され、『医薬品等の製造販売、製造、販売、貸与もしくは修理を生業として行う者~中略~は、その相互間の情報交換を行うこと、その他の必要な措置を講ずることにより、医薬品等の品質、有効性および安全性の確保ならびにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生および拡大の防止に努めなければならない』と、今までも必要であったことが、改めて明文化されました。
 (2)『医薬品等の製造販売業者等は、その製造販売等をした医薬部外品や化粧品等の使用により保健衛生上の危害発生し、または拡大のおそれがあることを知ったときは、被害の拡大を防止するために、破棄、回収、販売停止、情報提供その他の必要な措置を講じなければならない。またそれらの販売業者は、その行為に協力しなければならない。さらに回収に着手したことに加え、回収の状況を厚生労働大臣に報告しなければならない』と、医薬品等の回収時における報告の範囲の拡大について、こちらも今までも必要であったことが、改めて明文化されることになりました。
 以上の二つが改正点として挙げられます。
 今回の改正により、今後はより一層、化粧品を含む医薬品等の品質、有効性および安全性について、意識し注意を図る必要があります。国も力を入れていくであろうことが想像できます。(月1回掲載)


〈稲留万希子氏 プロフィール〉
 東京生まれ。東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社に就職。在職中に出かけたアジア旅行で各地に根付いている東洋医学に興味を抱き、国際中医専門員、薬事法管理者の資格を取得して独立。数々のサイトをチェックしてきた経験を基に現在は、”ルールを正しく理解し、味方につけることで売り上げにつなげるアドバイス”をモットーとした「薬事法広告研究所」サービスを展開中。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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