【EC注目株!】第27回〈大正製薬ホールディングス〉 通販取り扱い商品は16種類、通販売上高は30億円に/時価7000円台半ば水準の好配当利回りに照準合わせ

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千葉明氏

 大正製薬ホールディングス(4581)が専用サイト「大正製薬ダイレクト」を開設し通販専用商品の取り扱いを開始したのは2006年。通販専用サイトを設けるに至るには、こんな布石があった。
 02年のトクホの販売開始。そして03年の「LIVITA」ブランド立ち上げによるセルフケア商品の積極的展開。こうした段階を経て、通販サイトによる商品販売が始まった。
 通販サイトで取り扱われている商品は現在16種類で、構成はヘルスケアおよびアンチエイジングに関する商品だ。
 14年3月期の通販売上高は約30億円。総売上高に占める割合は1%余水準だった。
 同社の現在の事業は「OTC医薬品(一般用医薬品)」を含む健康関連商品を取り扱うセルフメディケーション事業や、「医科用医薬品」を扱う医薬事業に分かれる。そして前者にトクホ等の健康関連商品や通販商品が含まれる。
 同社の広報グループでは、「通販事業は安定的に売り上げを伸ばしています。今後そのスピードは加速していくとみています。通販など新チャネルの拡充で生活者とのコミュニケーションが進むと認識しています」とする。ただ、取り沙汰されているOTCをその対象とする計画はない。あくまで広義の「健康食品」の範疇で充実を図っていく戦略である。そして自社サイトと並行し、ヤフーショッピングへの出店などで拡充策の取り組みがなされている。
 ちなみに大正製薬HDの今3月期は本稿作成時点で前期の「3・8%増収、18%の営業増益、24・2%の最終増益」に対し、「1%の減収、30%の営業減益」計画で進行している。
 薬価改定の影響で医薬事業の伸び悩みもあるが、【先行投資】という見出しで始まる四季報の業績欄が記しているように「主力品以外のブランド再構築で広告宣伝費、販促費増」が主因。全体的な収益押し上げを図る「前向きな減益」と捉えることもできる。
 さてそんな同社を株式投資の対象とするとき、どんな視点で臨むべきか。
 株価動向は4月1日の8390円(年初来高値)から小幅な上下動を繰り返しながら右肩下がりの展開、10月17日に6780円(年初来安値)へ。その後の切り返し基調を見る限り、再度大きく下振れ傾向に転じる懸念は薄い。
 テクニカル的にも短期移動平均線が中期線を上回る展開。時価7000円台半ば水準の好配当利回り(1・5%)に照準を合わせ、先行投資効果期待の来期収益動向を視野に入れて8390円奪還を待つのも一法。


〈筆者プロフィール〉
千葉明(ちば・あきら)氏
 昭和24年(1949年)6月18日、群馬県前橋市生まれ。群馬県立前橋高等学校、明治大学政経学部卒業。1973年4月、日本短波放送(現日経ラジオ社)入社。1976年5月、経済評論家・亀岡大郎氏に師事。1982年6月、独立、(有)オフィスエーシー設立。そして自営のいまも、新聞・雑誌の原稿作成、書籍上梓、講演活動に従事。

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