【ネットショップのための薬事広告のイロハ】連載81 メーキャップ化粧品は何でも言える?/事例ごとの判断になるため注意必要

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

【メーキャップ化粧品は何でも言える?】
ーーメーキャップ化粧品であれば”メーキャップ”という物理的な効果を有するので、何でも言えるというのは本当ですか?(化粧品通販会社担当者)

 メーキャップであれば物理的効果が期待できますので、シミ、シワ、肌色改善、年齢対策など、化粧品ではなかなか表現の難しいことを”カバー”という側面から訴求することができます。しかし、昨今では商品の多様化から、広告上で”メーキャップ効果(物理的効果)”の事実性を判断することが難しくなってきたと言えます。
 例えば化粧下地。「ストレッチ素材と称する成分が入り、シワを延ばす」といった場合、肌に対する改善効果ではなく物理的効果のように見えます。でも実際、”シワを延ばす”とうたえるものなのでしょうか。
 約3年前の2013年4月8日、日本化粧品工業連合会より「メーキャップ化粧品の広告表現について」というものが出されました。ここでは、そもそものメーキャップ定義からどのように考えていくかがまとめられています。
 まず、メーキャップ化粧品の定義とは次の通りです。

1.メーキャップ化粧品の範囲
 ガイドラインにおいて、「メーキャップ化粧品」の範囲は、薬事法第2条第3項で規定する化粧品の定義のうち「容貌を変える効果を主目的として使用される化粧品」であって、以下に適合するものとする。
 「ファンデーション類」、「白粉打粉類」、「口紅類」、「眉目頬化粧品類」および「爪化粧品類」のいずれかに属するものであって色彩効果を有する化粧品(タルカムパウダー、リップクリーム等の色彩効果を有さない製品は除外する)。

 ここでの大きなポイントは『色彩効果を有する』というところです。そもそもメーキャップ効果というのは色によるものなのです。ですが、世の中には色彩を有しないものもあります。そういう場合にはどう考えたらよいのでしょうか。
 同通知の中にはこう書かれています。

2.メーキャップ効果の範囲
 メーキャップ効果とは、「メーキャップ化粧品」による色彩効果を原則とするが、「メーキャップ化粧品」以外の化粧品による「色彩効果以外の物理的な効果」についても、メーキャップ効果を表示し、広告することは事実に反しない限り認められる。

 ですので、色が付いていないものを排除するものではなく、たとえ色が付いていなくても”物理的な効果でメーキャップ効果を持つ”ものなのであれば事実を前提に可能ということです。
 ただし……。
 通知の中で、無色のものの想定として二つの事例が紹介されています。

(続きは「日本ネット経済新聞」4月7日号で)


〈稲留万希子氏 プロフィール〉
 東京生まれ。東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社に就職。在職中に出かけたアジア旅行で各地に根付いている東洋医学に興味を抱き、国際中医専門員、薬事法管理者の資格を取得して独立。数々のサイトをチェックしてきた経験を基に現在は、”ルールを正しく理解し、味方につけることで売り上げにつなげるアドバイス”をモットーとした「薬事法広告研究所」サービスを展開中。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

ネットショップのための薬事広告のイロハ 連載記事
List

Page Topへ