【EC注目株!】第58回〈アダストリア〉07年ネット通販進出し、総売上高比率10.9%に/IFIS目標平均株価4050円視野に構えたい

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 カジュアル衣料店をショッピングセンター内の店舗中心に販売するアダストリア(2685、2月期)がネット通販に進出したのは、2007年の秋。
 衣料品のネット通販の創生期ながら、ユニクロやZOZOTOWNが存在感を示し始めたタイミングと符合する。
 12年には店舗とEC販売のポイントを共通化し加速姿勢を明確にした。そして14年に旧トリニティアーツ社のサイトと統合を図った(ドットエスティ)。加速・統合の効果が発現し、前期第3四半期末時点では総売上高比率10・9%(前年同期比2・7ポイント向上)に至っている。
 アダストリアの取り扱いブランドは合計19。内訳は、メンズが1、レディース13、メンズ・レディース共通は5。全て自社開発。「ドットエスティ」サイトでは全ブランドが販売対象となっている。
 ネット通販の成否の鍵は、購入者が納得するような商品の見せ方であり、訴求の仕方。IR担当者はこう語り自信のほどを示した。
 「素材の質感が伝わるような拡大写真や、着用したときのイメージを実感できるように、モデルの身長を記載するなどの工夫をしています。店舗販売を積み重ねているスタッフによるコメント付きコーディネート画像を豊富に掲載している点も、当社のサイトのポイントの一つと自負しています。また購入履歴や検索ページの遷移動作から、お客さま一人一人の属性に基づいた最適情報が、ポップアップで表示されるウエブ接客サービスも導入しています」
 同社の大株主に良品計画が名を連ねている。良品計画はオムニバス戦略に注力している。「アダストリアもネット通販比率の上昇でオムニバスを意識しているのではないか」と問うた。しかし「さまざまな可能性を検討しています。自社サイトを衣料物販サイトから、お客さまのコミュニティーサイトに進化させることを目指しています」(IR担当者)と、スルリとかわされた。

(続きは「日本ネット経済新聞」4月7日号で)


〈筆者プロフィール〉
千葉明(ちば・あきら)氏
 昭和24年(1949年)6月18日、群馬県前橋市生まれ。群馬県立前橋高等学校、明治大学政経学部卒業。1973年4月、日本短波放送(現日経ラジオ社)入社。1976年5月、経済評論家・亀岡大郎氏に師事。1982年6月、独立、(有)オフィスエーシー設立。そして自営のいまも、新聞・雑誌の原稿作成、書籍上梓、講演活動に従事。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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