【EC操練所 ~ネット通販とシステム~】◇第10回◇ 残すことの重要性〈1〉

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提案しにくい案件

 システムの価格というのは、非常に分かりにくいと思われたことのある方が多いかと思います。それもそのはずで、同じくらいの規模感であっても、1カ月間で終わることもあれば、1年かかっても終わらないようなこともあります(単に忙しいからというときもありますが…)。
 この時間差のほとんどは開発そのものではなく、その手前の設計部分(何が問題で、どのように問題を解決させるかを考える部分)にあると考えます。
 あくまで個人的な意見ですが、システム業界と建築業界は、非常に似たビジネスであると思っております(ただ、システム業界は建築業界ほど設計に厳密ではないような気がします)。
 さまざまなEC業界の現場に携わらせていただいている中で、非常に提案しにくい案件というのが時々あります。一番困るのは、何をどうしたいのかが、さっぱり分からないようなときです。
 そしてそれは、さまざまなシチュエーションで起こります。例えば、現場をメーンで任せていた人が、ほぼ全員辞めてしまったようなときなどに発生します。


残らない体質の会社

 何とか課題と解決法をヒヤリングして考えようとするのですが、何の手掛かりもないとそれも困難です。建築に例えると、建物をどの土地に建てるかも、何階建てにするのかも決まっていないけど、見積もりと納期と導入効果を求められるといった感じでしょうか。
 スタッフが辞めたこと以上に問題だったのは、スタッフが辞める前までに会社にあった問題が、すべて会社に残っていなかったことなのではないかと考えました。

(続きは日本ネット経済新聞 1月28日号で)

筆者プロフィール〉
 縄舟 優一(なわふね・ゆういち)
 1982年、神戸市出身。
 2004年、神戸高専を卒業した翌日に、ノウハウ・人脈・資金ゼロでオフィスキャプサーを創業。現在、ウェブシステム開発の株式会社キャプサーと、通販総合管理システム「特攻店長」を手掛ける株式会社特攻店長の代表を務める。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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