【こだわりの逸品を全国展開 特産品EC】第115回 〈さるぼぼ・飛騨の民芸品専門ECサイト「飛騨高山さるぼぼ屋さん」〉/伝統を残し、新しい要素取り入れた商品開発も

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風水で学力を意味する青のハチマキを巻いた「必勝合格さるぼぼ」

風水で学力を意味する青のハチマキを巻いた「必勝合格さるぼぼ」

飛騨地方の民芸品、お土産として有名な「さるぼぼ」。有限会社オリジナルは、〝飛騨のさるぼぼ〟を最初に地域に広げたメーカーであり、さるぼぼを通じて観光事業を支える活動を行っている。また、アイデアあふれるかわいいさるぼぼも開発。社長の中澤澄夫氏、ネットショップ担当の千島有紀子氏に聞いた。

◆PR活動・こだわり

 さまざまな幸せを運ぶ〝お守り〟として親しまれているさるぼぼ。その伝統文化や歴史を広めることで、商品の認知度が上がっていったという。
 「当社が製造を始めた昭和53年ごろは、目がない人形で気持ち悪いなどと言われ、売れませんでした。しかし、昔、母親が子どもの健康や安産を願って作られていたことなど歴史を説明していくと、女性を中心に人気が出てきました。現在は、飛騨国分寺の境内に『願掛けなでさるぼぼ』地蔵と『満願成就の棚』を作り、年に一度さるぼぼの供養をさせていただいたり、手作り体験教室を開催したりしています。『さるぼぼ製造組合』で著作権管理なども行い、さるぼぼという民芸品を守り、広めていくことで、飛騨の観光事業を支えています」
 販売するさるぼぼは、地元の人が心を込めて手作りしている。
 「〝みやげ〟は漢字で書くと〝土産〟。文字通り、その土地で生まれたものでなければならないと思っています。当社では、機械に頼らず、少量しか作れなくても地元の人の手作りにこだわっています」


◆客層・売れ行き

 ネットショップを見ると、金銀に輝く「金運さるぼぼ」、風水カラーの「風水さるぼぼ」など、カラフルでかわいい商品が目を引く。
 「飛騨高山は何度も訪れる方の多い観光地。時代とともにお客さまのニーズも変わるので、歴史や伝統など変えてはいけない部分を守りつつ、新しい要素を取り入れた商品開発を考えています。最近では、雑誌での紹介もあり、妊活中の人が『子宝のお守り』としてオレンジ色のさるぼぼを購入されることが増えました。また、休み明け、週初めの注文が多く、旅行で飛騨を訪れた方がお土産を買い忘れたり、数が足りなかったときにネットで注文することが多いのだろうと思います。海外からの問い合わせも時々あります」
 売り上げは設立時から徐々に右肩上がりと順調。HPを見て問い合わせがあり、そこから大口の取引につながることもあるそうだ。


◆サイト作り・今後

 サイトは、細かい情報も入れつつ、分かりやすさを一番に心掛けているという。
 「手作りの商品には大きさに若干の誤差があるので、商品すべてに寸法を入れたり、対象物と一緒に撮影するなど、工夫しています。今後は、商品を増やしていくだけでなく、意味を知ってお買い求めいただけるよう、さるぼぼの由来や供養を行っていることなど、意外に知られていない情報を充実させたいと思っています」


〈運営会社概要〉
【運営】有限会社 オリジナル
【開設時期】2005年4月
【スタッフ数】1人
【ショップ形態】自社ショップ
【導入システム】─
【配送委託先】─

金運は黄色、健康は緑など、風水になぞらえた色の「風水さるぼぼ」

中澤澄夫社長

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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