アマゾンがラストワンマイルに注力する動きが世界的にも目立っています。新しいプログラムや取り組みを次々と発表しており、今年に入ってからも新たな展開がありました。今回はアマゾンのラストワンマイルにおける新しいプログラムや取り組み、今後の動向などについて解説します。
■独自の配送プログラムを強化
アマゾンは22年12月、「Amazon Hubデリバリーパートナープログラム」という新しい配送プログラムを発表しました。
アマゾンが地域の中小企業に配送業務を委託する、地域密着型のプログラムです。プログラムに参加する中小企業は、本業の空き時間に商品を配送することにより、副収入を得ることができます。
現在、東京や大阪などの数百店舗で、試験的に実施しているということです。アマゾンの宅配サービス「アマゾンフレックス」に続く、アマゾン独自の配送プログラムとして、かなり注目しています。
23年3月には、「Key for Business(キーフォービジネス)」というサービスを、三井不動産レジデンシャルリースと協業して、設置を進めていくことを発表しました。
アマゾンの配達員がマンションのオートロックを解除し、指定の場所に商品をお届けするというサービスです。置き配の推進も目的となっています。
三井不動産レジデンシャルリースが管理する、約7万8000戸の賃貸物件に対して、今後順次導入をしていくとしています。今後、サービスが浸透していくことが期待されています。
米国のアマゾンも、即日配送拠点の拡大には注力しており、地域の実店舗での受け取りや配送といった新しい取り組みを進めています。
例えば、小売店の商品を、小売店の実店舗から直接配送する仕組みです。アマゾンとしては配送拠点を新設することなく、即日配送を実現することが可能となります。
アマゾンは、このような地域のネットワークを生かした配送サービスに特に注目しており、ラストワンマイルの強化に向けても、国内でも同様の展開が増えてくることでしょう。
■アマゾンによる囲い込みが加速へ
(続きは、「日本ネット経済新聞」3月23日号で)
<著者プロフィール>
比良益章(ひら・ますあき)
2006年楽天入社、ECコンサルタント、マーケティング担当などを経験。2009年アマゾンジャパン入社、新規開拓営業、コンサルタント業務に従事し、5期連続でトップ成績を獲得。2010年アグザルファ設立、代表取締役に就任し、Amazon専門のコンサルティングを展開。
【気になる動向を徹底分析! Amazonレポート】第14回 ラストワンマイルに注力するアマゾン(2023年3月23日号)
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