【ネットショップ 「売れる」デザイン・演出テクニック】連載125 特商法・個人情報保護法への対応(2022年9月8日号)

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 22年6月1日より「改正特定商取引法」が施行されました。
 改正特商法の正式名称は、「消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律(消費者庁HPより抜粋)」です。この法律が施行されたことにより、ECサイトで消費者が注文を確定する直前の段階で、商品の分量や支払い時期、返品や解約などの情報を確認できるようにすることが義務化されました。
 今回は改正特商法が施行された経緯とともに、見落としがちな法律の対応部分についてお伝えします。


■ECの普及とともに増加した悪質な手口

 特商法は、1976年に施行されました。消費者トラブルが生じやすい訪問販売・通信販売・マルチ商法など、特定の取引形態を対象としています。取引の適正化を図る法律で、一度契約した商品を一定期間内であれば契約解除できるクーリング・オフ制度もこちらに含まれています。
 2000年以前は、現在のようにECが盛んではなく、通信販売の利用者も限られていました。
 00年以降、スマートフォンの普及によりECの利用者が急速に増加。幅広い年齢層から支持されるようになりました。その一方で、トラブルも増加しました。
 中でも「定期購入」は多くのトラブルの火種となりました。
 例えば、「安価なお試し商品を購入したら、お試し品が届いた翌月に大容量で高額な商品が届き、慌てて問い合わせた。すると、定期購入扱いの商品を購入していた」などといったケースです。
 販売事業者は「定期購入だとサイトに書いてあるので違法ではない」の一点張りですが、非常に小さい文字で書かれていたりするため、消費者はうっかり見落として購入してしまいます。
 このような悪質事業者が横行したことで、トラブルが頻発し、定期購入自体を「悪」と捉える消費者が増加したという背景があります。消費者のことを第一に考え、真摯(しんし)に取り組んでいる定期販売事業者にとっては、死活問題です。
 定期購入は、単発で購入するよりも、お得な価格設定となっていることが多く、便利さが人気です。
 昨今は、「サブスクリプション」が流行している影響で、定期購入契約へのハードルは低くなりました。
 今回の法改正により、サブスクリプションも含む定期購入商品は、誰が見ても定期購入商品と分かる記載が必須となりました。消費者は、自分が意図しない購入や契約を避けることが可能となったのです。


■今一度確認したい個人情報の取扱い

(続きは、「日本ネット経済新聞」9月8日号で)

〈著者プロフィール〉
 長山衛(ながやま・まもる)氏
 某大手食品ECサイトで運営を手掛けた後、08年10月にECサイトの運営代行などを手掛ける株式会社ネットショップ総研を設立。
 11年11月に「食品ネットショップ『10倍』売るための教科書 リピーターを確実に増やす商品プレゼン77のテクニック」(日本実業出版社)を上梓。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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