■顧客の分析は「P+RFM」で
既存顧客の分類方法として一番よく知られているのは、「RFM」で分類する方法です。RFMとは、直近の購入時期を示す「Recency(リーセンシー)」、購入の頻度を示す「Frequency(フリークエンシー)」、購入金額を示す「Monetary(マネタリー)」の頭文字をとったものです。
こと、化粧品・健康食品の場合は、そこに購入商品を示す「Product(プロダクト)」を前提条件として付け加えた、「P+RFM」での分類が非常に有効です。
なぜなら、全商品ラインアップの中から「どの商品をこれまでに購入したか」を知ることで、顧客分類をする上で一番影響の大きい「悩み」を把握することができるからです。この4指標で分類を考え、オファーを設計していきます。
例えば、化粧水など基礎化粧品の購入者で直近の購入が1カ月以内、金額は1回平均6000円の支払い、これまで6回購入している顧客がいるとします。この顧客は現在の優良客です。
一方、1万2000円の支払い、12回も購入していたが1年以内の購入がなくなってしまった顧客は、いわゆる「優良だった休眠客」と呼ぶことができます。このように何パターンかに顧客層を分類して、それぞれに適切なオファーをしていくのです。
実際には、商品ごとに個別のオファーをしているケースはあると思いますが、そこから一歩踏み出して、「P+RFM」まで分析してオファー設計をしているメーカーはごくわずかです。
細かい分析はオペレーションやシステムの問題が大きいことは理解できますが、ここまで個別のオファーをすることで、より適切なオファーを設計することができ、顧客ごとの反応率がアップします。ぜひ取り組んでいただきたい施策です。
(続きは、「日本ネット経済新聞」4月7日号で)
※新連載のお知らせ
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〈プロフィール〉
山口 尚大(やまぐち・たかひろ)
EC・通販コンサルタント。クリームチームマーケティング合同会社代表兼CEO。2006年より化粧品、健食業界に特化したダイレクトマーケティング支援を行い、150社250ブランドを超えるクライアントの売り上げアップを実現。豊富な経験とノウハウをもとに最新のアウトプットを提供している。
【化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング 成功と失敗の法則】 〈24〉獲得後の顧客にフォーカスする(2) (2022年4月7日号)
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