今回は、22年のアマゾン動向について、注目の五つのポイントをご紹介したい。
1.アマゾンデバイス経由の注文が浸透
音声AI「Alexa(アレクサ)」を搭載した自社製テレビや家庭用ロボットなどの、新しいアマゾンのデバイスが、米国で続々と発売されている。今後、PCやスマホを経由しない、アマゾンデバイス経由の注文が徐々に浸透していくだろう。すでに、残量を自動で計測して再注文してくれるデバイスもある。レジなし精算を実現した「AmazonGo(アマゾンゴー)」の技術を利用した冷蔵庫などのデバイスの開発にも注目している。
近い将来、音声ショッピングや音声広告が主流になる可能性もある。今後は、アマゾンデバイスからいかに購入につなげていくかも、出品者にとって重要になっていくだろう。
2.出品者出荷の顧客満足度を向上
アマゾンは、「出品者出荷」においても、アマゾンの出荷と同等の配送スピードやカスタマーサービスを提供していく。顧客の返品・返金を容易にする取り組みなども強化して、顧客満足度の向上に努めていくだろう。21年には、ヤマト運輸と提携し、出品者出荷を特別料金でサポートする取り組みも発表した。
出品者出荷において、アマゾン出荷と同等のサービスを提供しようとすると、土日出荷対応による人件費の拡大やコストの拡大など、出品者の負担が増える懸念もある。アマゾンは、出品者の負担だけが増えることのないよう、慎重に進めていくことが重要になるだろう。
3.動画の活用が必須の状況に
動画を使った商品の訴求も必須になる。「スポンサーブランド動画広告」の運用や、商品ページのサブ画像部分への動画の挿入などが、国内でもついに可能になった。今後は、動画を活用した商品訴求が必須の状況になる。競合商品と差別化する戦略が問われていくだろう。
動画を利用した商品訴求は、アマゾンの中でも目立ちやすく、占有率や訴求力が高い傾向にある。今後は、外部のユーチューブやフェイスブックの動画広告、米国で展開されている「Amazonライブ」などのライブコマースを利用した動画など、動画を活用した対策が今まで以上に問われていくことだろう。
(続きは、「日本ネット経済新聞」1月20日号で)
〈著者プロフィール〉
比良益章(ひら・ますあき)
2006年楽天入社、ECコンサルタント、マーケティング担当などを経験。2009年アマゾンジャパン入社、新規開拓営業、コンサルタント業務に従事し、5期連続でトップ成績を獲得。2010年アグザルファ設立、代表取締役に就任し、Amazon専門のコンサルティングを展開。
【気になる動向を徹底分析! Amazonレポート】第10回 22年のアマゾン動向を徹底予測! 注目の五つのポイント (2022年1月20日号)
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