シンプルな葬儀志向の流れに対し鎌倉新書では、「家族葬のメリット・デメリットを訴求するなど、最適な弔い方を選択できる体制を整えている。また家族葬の受け皿として、お別れ会のプロデュースなどもしている」とした。
「お別れ会」は、エンディングビジネスを担う同社には新規事業。web事業を軸に展開してきた鎌倉新書にとってみればプロデュース事業だ。
「家族葬に参列できなかった友人や知人が集まる場で、どんなお別れ会をするのが最もふさわしいのか」「概要・時期・人数・予算」などを、プロデューサーが直接提案して実現する。例えばこんなお別れ会が実行されている。故人は、元少年野球の監督。野球のグラウンドを模した祭壇を作り、始球式が行われた。
清水代表は「従来の事業との相乗効果が期待される。ビジネスの展開の仕方は異なるが親和性が高い」とした。「いい相続」といった事業も立ち上げている。担当スタッフが葬儀後の相続について「専門家(士業)の紹介」にはじまり、もろもろ相談にのる。「その延長線上には、介護、保険、不動産に関する終活の悩み事が存在する。これらに網羅的に対応できる、さまざまなビジネス展開を図り、『終活インフラ』企業へと舵を切る」とした。
時流への備えぶりの確かさについてはこんな事実からも知った。
傘下にハウスボートクラブを収めた。
(続きは、「日本ネット経済新聞」7月8日号で)
【著者プロフィール】
千葉明(ちば・あきら)氏
1949年群馬県生まれ。明治大学政経学部卒業後、1973年4月、日本短波放送(現日経ラジオ社)入社。1976年5月、経済評論家・亀岡大郎氏に師事。1982年6月、独立、(有)オフィスエーシー設立。そして自営のいまも、新聞・雑誌の原稿作成、書籍上梓、講演活動に従事。
【次代を担う企業の「EC戦略」】第26回〈鎌倉新書(下)〉 終活の提供サービスの幅を広げ、業容拡大図る
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