【こだわりの逸品を全国展開 特産品EC】第103回 〈山椒・山椒加工品専門ECサイト「かんじゃ山椒園」〉/高品質にこだわり、さんしょう本来の良さを伝える

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「山椒ジャム」

「山椒ジャム」

さんしょうの収穫量日本一を誇る和歌山県の中でも、「ぶどう山椒」発祥の地として100軒以上のさんしょう農家がある有田川町。「かんじゃ山椒園」は、ネットを通じて、品質の良いさんしょう栽培へのこだわりはもちろん、販売している加工品などで、さんしょう本来の良さと新たな食べ方を伝えている。代表の永岡冬樹氏に聞いた。

◆取り組み

 「かんじゃ山椒園」では、自家農園のほかに契約農家・協力農家と連携して、高品質のさんしょうづくりに取り組んでいる。
 「安心安全という信頼の向上と地力維持のため、自家農園と契約農家では有機栽培を実施しています。そして、契約農家・協力農家の皆さんと年に一度は集まり、当園の報告や情報交換を行っています。農家の方の立場から、経営維持できるものを目指しています」
 手間をかけて栽培されたさんしょうは、加工・販売まで一貫して行い、こだわりの商品が出来上がる。
 「すべて一貫して行うメリットは、さんしょうの特性を見極め、最良の状態で保存・加工、販売ができることです。ネットショップは少量からでも開業でき、全国に発信、販売できますが、品質の良さを理解してもらうには時間がかかると認識しており、長く利用しもらえるショップにしていきたいと思っています」


◆商品・反応

 ネットショップでは、採れたての青実ざんしょう、乾燥さんしょう、つくだ煮や水煮のほか、ジャムやパウンドケーキなど珍しい商品もラインアップ。また、農園に併設されたカフェでは、さんしょうを使ったカレーやパスタ、デザートなどを提供し、さんしょうの魅力を発信している。
 「安価で流通しているさんしょうと違い、本来のさんしょうは独特な柑橘系の香りがあり、色も鮮やかな緑色です。その良さに触れることで、新たな食べ方のインスピレーションが湧いてきます。お客さまからは、『さんしょうが苦手で食べられなかったが、おいしかった』『さんしょうをたくさん使っているのに辛味がなく爽やかだった』などの声をいただいています。また、品質の良さやお客さまへの対応に感謝されることが、大きなモチベーションになっています」


◆目標

 メディアの取材にできる限り協力することで、「ぶどう山椒」の認知度はアップし、ネットショップの売り上げも年々伸びている。今後は、長期的な目標に向かった生産、販売、情報発信を考えていきたいと話す永岡さん。
 「テレビの影響は大きく、知名度アップにつながりますが、繁忙期の撮影依頼で長時間作業ができない場合や、放送後に注文が殺到してお得意さまにご迷惑がかかることもあり、バランスが大切だと感じます。私どもの目標は『山村社会の自立的な再生』です。ネットやメディアを通じて、さんしょうを中心に山村の産物の良さや暮らしぶりを伝えると同時に、長く利用していただける本物を作り、お届けすることで、理想社会づくりのネットワークを広げていきたいです」


〈運営会社概要〉
【運営】かんじゃ山椒園
【開設時期】2006年3月
【スタッフ数】1名
【ショップ形態】自社ショップ、和歌山わいわい市場
【導入システム】カラーミーショップ
【配送委託先】ヤマト運輸

永岡冬樹氏

「手摘み臼挽き 粉山椒」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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