【EC注目株!】第40回〈フォトクリエイト〉 同級生の米国土産話から始まった本邦初ビジネス/中計期待の値動きに移行 押し目買い・中期構えが賢明

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千葉明氏

千葉明氏

 フォトクリエイト(6075)のビジネスモデルは、協賛したマラソン等のイベント会場に集まった参加者への「アクセスナンバー入りチラシ」の配布が入り口だ。
 多数のプロカメラマンが参加者の写真を1人も逃すことなく撮る。イベント終了後に参加者が「記念の写真が欲しい」と思えば、同社のネットサイトにアクセスナンバーでアプローチ、自らの雄姿を目の当たりにし「この写真が欲しい」と思えば注文をする。出口は写真代という課金の発現。現在11のサイトがイベントの種類別に設けられている。スポーツ関連は「オールスポーツコミュニティ」、祭り関連なら「ヨイショット!」といった具合。
 起業の契機は、現会長・白砂晃氏のサイバーエージェント時代。「パソコンを駆使した起業を」が常に頭にあった氏が「これだ!」と膝を叩いたのは、「向こうではプロが会場で撮った写真を販売するビジネスが流行っている」という高校の同級生の米国土産話しだった。「遠からずブロードバンドが普及する時代になる」が持論だった白砂氏は、「ネットのコンテンツが文字から写真などマルチメディアに移行していく」と確信し本邦初の前記のビジネスを興した。
 会社設立は2002年。存在感を高めたのは07年の東京マラソン(ちなみに今年の大会ではランナー1人当たり約55・6枚/総枚数約200万枚撮影)とされる。これを機に日本体育協会や日本サッカー協会等との協賛が実現、商圏を広げていった。
 15年6月期第3四半期でみると「9カ月間の累計で前年同期比118件増の1万646件のイベントに、44人増の1486人のカメラマンを投入した」(経営管理部)という。
 そんな同社は今、さらなる商圏拡充と対峙している。クラウド事業。かみ砕くと、街の写真館や大手現像会社に対し、同社のネット経由による写真販売システムを貸与するという事業だ。「人生のいたる節目に写真あり。そんな写真の全てとうちは関わっていくべく策を進めています」(同)ともした。
 至17年6月期の中計では「写真ナンバーワン」を旗頭に、売上高47億1600万円(前期比5割増)を掲げ、例えば「学校関連写真領域の大幅拡充」をうたっている。
 さてフォトクリエイトの株式とどう付き合うか。中計への進捗度がメルクマールとなろう。株式市場は薄商いながら2月4日の年初来安値(1271円)を機に、中計期待の値動きに移行している。配当開始の見方も聞かれる。押し目拾い・中期構えが賢明。


〈筆者プロフィール〉
千葉明(ちば・あきら)氏
 昭和24年(1949年)6月18日、群馬県前橋市生まれ。群馬県立前橋高等学校、明治大学政経学部卒業。1973年4月、日本短波放送(現日経ラジオ社)入社。1976年5月、経済評論家・亀岡大郎氏に師事。1982年6月、独立、(有)オフィスエーシー設立。そして自営のいまも、新聞・雑誌の原稿作成、書籍上梓、講演活動に従事。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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