■変化する配送方法
先月、アマゾンは日本郵便と提携して、「置き配」のサービスを全国展開していくことを発表しました。アマゾンは今まで、一部エリアで「置き配」を実施していました。日本郵便も加わったことから、全国での導入が本格的に進んでいくことになります。
「置き配」については、盗難や配送伝票の個人情報の漏えいなど、主にセキュリティー面に課題があります。アマゾンは、「置き配」で盗難があった際には、アマゾンが商品の再送や返金補償を行う方針であることを発表しています。
今でも、人目につきにくい車庫などの場所を配達先に指定することで、盗難を回避することは十分可能ですし、今後、匿名配送などの導入も考えられます。
「置き配」は再配達の必要がないので、購入者にとっても配送業者にとってもメリットが大きく、利用者の拡大が期待されます。
昨年9月には、指定した配送先で受け取れる「Amazon Hub(アマゾンハブ)」が、一部のエリアで開始となりました。宅配ボックスに配達する「Amazon Hubロッカー」や、提携店舗に配達する「Amazon Hub カウンター」があります。商品を自宅近くなどで確実に受け取るのに便利なサービスです。提携する店舗にとっても集客のチャンスといえるでしょう。
昨年米国では「Amazon Day便」というサービスが開始されました。日本でも一部の商品で開始されています。購入者があらかじめ配達してほしい曜日を指定しておけば、一週間分の注文をまとめて指定した曜日に届けてくれるというサービスです。
軽貨物自動車を持つ個人のドライバーが、空いた時間にアマゾンの商品を配送できる「Amazon Flex」が東京を含めた五つのエリアで展開されておりました。昨年11月、北海道でも新たに展開すると発表しました。貨物軽自動車運送事業の届け出をしなくてはならないなど、参加条件が少し手間ではあるのですが、規制緩和も含めて今後どのように普及が進んでいくか、注目されています。
■置き配利用にはFBA
(続きは、「日本ネット経済新聞」1月23日号で)
〈プロフィール〉
比良益章(ひら・ますあき)
2006年楽天入社、ECコンサルタント、マーケティング担当などを経験。2009年アマゾンジャパン入社、新規開拓営業、コンサルタント業務に従事し、5期連続でトップ成績を獲得。2010年アグザルファ設立、代表取締役に就任し、Amazon専門のコンサルティングを展開。
【Amazon出品〈気になるトピックを徹底解説!〉】第19回 アマゾンの新配送サービス
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