【ネットショップ 「売れる」デザイン・演出テクニック】連載34 父の日商戦におけるデザインの意義

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長山衛氏

母の日イベントも終わり一息ついた店舗も多いかと思いますが、成功を収めた店舗と反省が残った店舗の差は何なのか。6月の父の日商戦を前に、年間イベント成功の鍵を握る「ギフト」のあり方について今一度考えてみましょう。


他の季節イベント商戦との相関性

 これは母の日に限らず、父の日も同様ですが、年間のギフト商戦において「父母商戦」は少々意義が異なります。「父母商戦」は他のギフト商戦の1次予選と考えると分かりやすいかもしれません。
 過去10年以上にわたり季節商材メーンの食品ECをやっているデータから抽出すると「父母商戦が成功した店舗は、以降の季節イベントが成功する」という統計があります。
 以降の季節イベントとは、中元、敬老、お歳暮、クリスマス、おせちなどです。
 この現象は一概に言えるものではありませんが、「父母商戦」はほかの季節イベントギフトに比べて身内のギフトとなり、ユーザーは「攻め気味の商品選定」を行う傾向があります。無論、一義的に断定はしませんが比較的その傾向があります。
 一方、他の季節イベントギフトはいわゆる「無難な商品」を選ぶ傾向があります。ここでいう「無難」とは悪い意味ではなく「父母商戦」に比べ「安心・安全」を軸にした商品選定を行う傾向があるということです。


商品選定に表れる差異

 では、ほかの季節イベントギフトにおける「安心・安全」とは、いかなるものか。
 そもそもギフトである以上、注文者が「安心・安全」を感じる瞬間は贈る側の心理からすると「贈り先からお礼を言われたとき」です。
 詭弁(きべん)やお世辞ではなく、本音の感想を言ってくれるのが「父母」なのです。そして、贈る側が「安心・安全」を感じた店舗は、以降の商戦でも再度利用する可能性が非常に高まります。
 そのため「父母商戦」を1次予選と捉えることにより、ギフトのリピーター獲得につながるのです。
 データ上は「父母商戦が成功した店舗は、以降の季節イベントが成功する」という統計ですが、理由については二つの要素が関係しています。
 それは「安心・安全を訴求するデザイン」と「攻めの姿勢が感じられる商品差別化」です。例えばラッピングフォトサービスやレビューページは安心・安全を訴求するために一役買ってくれます。
 どのような包装状態でギフトが届けられるのかを贈る側が事前に確認できたり、商品を贈る側、贈られた側の声が掲載されたコンテンツを用意しておくと購入する際の後押しになります。
 また、身内ならではの名入れギフトや似顔絵などのオーダーメードギフトは、より個性をアピールできるため、パッケージやデザインに遊び心を出すことでオリジナリティーが生まれ、他店との差別化を図ることが可能です。
 それぞれのギフトイベントの特性を生かし、贈る側・贈られる側双方に響くデザインで適切なアプローチを行いましょう!(月1回掲載)


〈著者プロフィール〉
 長山衛(ながやま・まもる)氏
 某大手食品ECサイトで運営を手掛けた後、08年10月にECサイトの運営代行などを手掛ける株式会社ネットショップ総研を設立。
 11年11月に「食品ネットショップ『10倍』売るための教科書 リピーターを確実に増やす商品プレゼン77のテクニック」(日本実業出版社)を上梓。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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