【ネットが拓く〈リテンションの時代〉】連載第27回 サブスクに不可欠

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

■所有から利用へ

 サブスクリプションが盛り上げっている。顧客がモノの保有者から、モノの利用者に変化していく流れが止まらない。サブスクモデルは今までも存在し、新聞、雑誌、映画、音楽、通販の定期購読・定期視聴・定期購入が主なものであった。
 普及し始めたのはスマホのアプリやPCのソフトウエアのような形のない商品が登場してきてからだ。近年はコーヒー、自動車、アパレルなどのモノを扱うビジネスへ拡大。今年7月には大手化粧品会社から、サブスクモデル専用の化粧品ブランドも登場している。
 消費者から見れば「モノやサービスの所有に対価を払う」から、「モノやサービスの利用に対価を払う」に変化している。
 利益の回収方法も「モノを提供」し単回で回収するのではなく、「利用価値を提供」することによって顧客とつながり続け、長期に渡って回収する方法になっている。顧客が求める価値は常に変化するので、変化に合わせた価値を提供できないと飽きられてしまう。
 顧客が今何を求めているのか知り続けることが、大切になったと企業が気付き、意識や行動のデータがリアルタイムに収集できることも盛り上がっている一つの要因であろう。
 データを活用し、企業としての差別化を図ることが新しい価値を提供するベースとなるため、データを読み込み、分析するマーケティング能力が今まで以上に重要視されてきている。


■詳細情報も取得

 顧客にとって常に最適な「利用価値」を提供し、期待を上回る価値を提供し続けることが、より単価の高い「モノやサービス」を契約してもらい、アップセルも達成できる。より優れた利用価値を継続的に提供し、価値を高めながら価値に対応した対価を提示し、販売高の向上を図っている。

(続きは、「日本ネット経済新聞」9月12日号で)

〈プロフィール〉
伊藤 博永(いとう・ひろなが)
 1993年3月、旭通信社(現ADK)入社。2001年4月、価値総研取締役、09年4月、ADKダイアログ代表取締役、12年1月、アディック取締役(現任)、15年9月、日本リテンション・マーケティング協会理事、18年4月、日本リテンション・マーケティング協会監事(現任)。

 筆者に関する問い合わせは、一般社団法人日本リテンション・マーケティング協会事務局((電)=03―6434―0703)まで。http://j-rma.jp/

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

リテンションの時代 連載記事
List

Page Topへ