【EC注目株!】第136回〈ロコンド〉 「自宅で試着、気軽に返品」で認知度向上/時価800円ももみあい状況。黒転確認が戻りの一里塚

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 ロコンド(3558、2月期)のコア事業は、靴やファッション商品のECサイト:LOCONDO.jpの展開。セールスキャッチコピーは「自宅で試着、気軽に返品」。興味深いビジネスモデルである。会社設立は2010年10月。上場は17年3月。まだ「ほかほか」感が残る新参公開企業だ。
 上場初年度の18年2月期は「37%増収、69%営業増益」で立ち上がったが、前2月期は「69%の増収(61億5000万円)」も、9億8000万円近い営業損失だった。「知名度アップ」を図るためのテレビCMの積極的展開で、販管費が61億5000万円余に膨らんだ結果と捉えられる。
 20年2月期は「営業利益:0」―会社四季報の表現を借りれば、「均衡圏」計画でスタートした。ロコンドも「ネット通販」とはいえ「小売業」。小売業の展開ぶりを投資家が確認する上での判断材料の一つは「月次ベース」の「売上高推移」。19年2月のEC(返品前)受注高は「前年同期比49%増:10億8000万円」と開示しているが、「当社を取り巻く環境の変化を鑑み、(2月以降は)開示をやめる」としている点が気掛かりも、「均衡圏」実現の動きを確認したい。
 認知度向上という負担増要因を抱えてはいるが、出店ブランド数は前期末で2193に着実増。また、事業伸長のための施策も着実に打っている。例えば、免税店大手のラオックスグループとの業務提携。BtoBチャネル/越境ECチャネルをその手にした。

(続きは、「日本ネット経済新聞」8月22日号で)

〈筆者プロフィール〉
千葉明(ちば・あきら)氏
 昭和24年(1949年)6月18日、群馬県前橋市生まれ。群馬県立前橋高等学校、明治大学政経学部卒業。1973年4月、日本短波放送(現日経ラジオ社)入社。1976年5月、経済評論家・亀岡大郎氏に師事。1982年6月、独立、(有)オフィスエーシー設立。そして自営のいまも、新聞・雑誌の原稿作成、書籍上梓、講演活動に従事。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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