【リピートEC 成功の秘訣「真の顧客満足向上とは」】第15回 大きな変化が予想される広告表現

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■LINEの活用

 顧客満足を最大化するためには、次の三つのカスタマーサクセス(CS)活動をしていく必要があります(7月18日号参照)。
 〇商品CS……お客さまが満足する商品を追求する
 〇機能CS……お客さまが満足する価値を追求する
 〇アフターCS……お客さまへアフターフォローを追求する
 ─の三つです。
 今回は、このうちのアフターフォローの領域にも関係する「コミュニケーションインフラ」の現状と、今後の動きについてお話しします。
 現在、お客さまとのコミュニケーションインフラは、単品リピート通販にとって、とても重要な要素になってきています。
 なかでも、生活インフラの一つにもなっているのがLINEです。企業がLINEを使用する場合、LINE公式アカウント、LINEビジネスコネクト、LINE@と大きく三つのサービスがありました。このうち、最も多く普及しているのがLINE@です。LINE@は費用面でのハードルが低く、とくに中小企業にとっては利用しやすいツールです。
 2019年4月からこれらのサービスが統合され、プランによってそれぞれ料金が設定されるようになりました。LINE@と同等のプランの場合、費用はこれまでよりも多少高くなりますが、その分、機能の幅がぐっと広がります。
 つまり、LINEでのコミュニケーション方法が大きく変わってきていることに注目しなければならないのです。スタンプの配信、ポイントカード、決済、ラインでの個別相談など、さまざまなことがLINEで可能となっているのです。


■5Gと広告表現

 さらに、AIを利用したコミュニケーションをすでに始めている企業もあります。たとえば顧客が「昨日、飲みすぎちゃったよ」と企業のLINEにメッセージを送ると、AIが、その状況に適した商品を紹介してくれるといったものもあります。
 現在は、かなりの会社がLINEを利用しているため、自社でどのように活用していくかを考察することが重要でしょう。
 さらに、コミュニケーションインフラを考えるときに注目しておきたいことが、携帯電話各社で動いている第5世代移動通信システム、いわゆる5G(ファイブジー)です。
 通信速度が圧倒的に早くなる5Gが登場することで、広告表現にも大きな変化があると考えられます。
 たとえば、これまで文字と画像で表現していたことを、ARのように立体的に映し出して表現することが極めて当たり前になるかもしれません。あるいは、想像していなかったもっと新しい形の表現方法ができるようになるかもしれません。いずれにしろ、今よりも容易に広告配信ができるようになると考えています。
 そうなると、もしかしたらLINEでのコミュニケーション方法も大きく変化するかもしれませんし、スマートフォン自体を必要としなくなる時がくるかもしれません。
 お客さまへのアフターフォローを追求するために、今後の時代の変化に柔軟に対応できる能力も備えておかなければならないともいえるのではないでしょうか。


〈筆者プロフィール〉
 ライフエックス代表取締役社長 工藤一朗

 1980年生まれ、大学卒業後、総合通販のベルーナに入社。入社後すぐに売り上げナンバーワンを記録。その後、東証一部上場企業の営業部長などを経て退社。
 09年にライフェックスを設立し、一貫して通販・ダイレクトマーケティングに従事する。日本通販CRM協会役員兼務。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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