【ネットが拓く〈リテンションの時代〉】連載第25回 企業と顧客を強くつなぐ

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■ブランド構築とロイヤルティー

 昨年の同じ時期と今年の春ごろに、ロイヤルティーについて書いた記憶がある。令和の最初の年なので、もう少し深掘りしてみる。
 これまでいろいろと整理してきたが、自分の頭の中ではブランディング(ブランド構築)とロイヤルティー(心理形成)が混在し、明確に区分されていないことがネックである。
 前にも書いたが、広告業界で長く働いていたため、予算が獲得できるブランディングについてはいろいろと経験してきた。だが、ロイヤルティーについてはマーケティング施策の結果とかを見ていなかった。今回はブランド、ロイヤルティー、時代の流れと複眼で探ってみる。
 ここで難しいのが、ブランド構築の結果もロイヤルティー形成の結果も、ゴールは継続購入だということである。どちらも消費者の行動として「継続して購入」することであり、それを下支えする心理として「ブランドが好き」という側面があるために、行動と心理が混ざり合い区別が困難になっている。
 ロイヤルティーを考えていたときに新しい発見もあった。通販業界の人と話していて気付いたことだが、ロイヤルユーザーとロイヤルティーが高い人とは、似て非なるものであるということである。
 ロイヤルユーザーとは「継続購入をしてくれる顧客」であるが、継続購入理由としては、「安いから」「手間を省けるから」「解約すると損をするから」「なんとなく惰性で」など、金銭面や行動面の理由が多くあり、そこに「好きだから」「気に入っているから」といった心理面が付加している、という新しい視点を見いだすことができた。


■顧客の利益生む関係性の構築を

 ロイヤルティー形成の現在の状況はどうなのか?

(続きは、「日本ネット経済新聞」7月11日号で)

〈プロフィール〉
伊藤 博永(いとう・ひろなが)
 1993年3月、旭通信社(現ADK)入社。2001年4月、価値総研取締役、09年4月、ADKダイアログ代表取締役、12年1月、アディック取締役(現任)、15年9月、日本リテンション・マーケティング協会理事、18年4月、日本リテンション・マーケティング協会監事(現任)。

 筆者に関する問い合わせは、一般社団法人日本リテンション・マーケティング協会事務局((電)=03―6434―0703)まで。http://j-rma.jp/

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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