【ECコンサルタントによる「勝手にECサイト分析」】□□211 ジャパンEコマースコンサルタント協会 笹本克特別講師・参事〈「浜幸」〉/”個人向け””法人向け”販売の共存に成功

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「浜幸」のECサイト

 創業70年の菓子店「浜幸」は、高知市の中心にある、はりまや橋交差点に店舗を構える。店名と土佐銘菓として昭和37(1962)年から販売している「かんざし」は、高知で知らない人はいないといってもいいであろう。
 菓子に限らず地方の名店は、実店舗や主力商品がすでに十分な知名度を得ており、ある意味ではマーケティングにおける「伸びしろ」が限られているともいえる。このため地方の名店のネットショップは「全国」「県外への販路」を強く意識して設計されるものが多い。
 一方、法人向けギフトやOEMなどさまざまなニーズもあり、一般消費者向けのカートだけでは対応が難しい面もある。
 このため、一般消費者向けと法人向けにサイトを分けることも少なくないが、「浜幸」のネットショップは「地元と全国」「法人向けと個人向け」などの、共存させにくいコンテンツが大変バランス良く配置されているのが見事だ。


■実店舗ノウハウ反映

 トップページでは、雑誌などのメディア掲載実績をアピールしながらも、新着情報では例えば地元の小学校でのお花見会の告知などを掲載している。トップページのナビゲーターには、OEMの項目があるほか、”ギフト”のページには用途・シーン別の事例が充実している。
 一般消費者向けに、のしや冠婚葬祭のお返しの時期や相場など”慣例”のアドバイスを掲載し、法人向けには単品の大量発注や化粧帯への名入れなど、さまざまなノベルティー用途に対応していることを十分に訴求している。
 法人ギフトの用途には「航空会社の機内食」という記載もある。用途・シーン別のコンテンツや商品提案は、実店舗での長年の経験積から培ったノウハウを反映している。
 通販部門の責任者である羽山直慶氏は、「実店舗で行っている、お客さまへの細やかな対応をネットでもやりたかった」と言う。
 お菓子の素材はできる限り高知産を使用している。生産者の高齢化などにより収穫が減少している山岳地の四万十栗の畑を社員で手伝うなどの活動も行っている。「地元に愛されつつ全国を視野に」の好例ともいえる。


〈筆者プロフィール〉
ささもと・かつ
 全国各地で有名ネットショップを輩出。自治体・関連団体でもEC関連の講演や講師を務めている。DeNAやヤフーのショッピング事業部スタッフへのレクチャーや、ドリームゲートの起業講座のほか、上場企業から中小企業までコンサルサイトの累計は約600社に至る。多岐にわたる業種でのコンサルティング実績も豊富。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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