【こだわりの逸品を全国展開 特産品EC】第90回 〈ねりみそ専門ECサイト「ねりみそ工房 利香庵」〉/昔の料理法を追求し、新しい提案も

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「鶏みそ」

「鶏みそ」

「おかずみそ」「なめみそ」などと呼ばれ、ご飯のお供やおつまみ、調味料として全国で親しまれてきた「味噌菜(みそざい)」。京都の料亭で修行を積んだ高橋宗孝氏は、経験を生かし、伝統の味噌菜を伝えたいと「ねりみそ工房 利香庵」を設立。そのこだわり、食べ方の提案、地元食材との組み合わせなど、ネットを通して発信していきたいという。

◆こだわり・思い

 京都には伝統を受け継ぐ料亭や料理旅館などが多く、昔の料理法も多く残っている。そこで学んだ味噌菜=ねりみそを追求しようと考えた高橋さん。
 「今の若い世代はみそ汁をあまり食べない傾向にある上、即席商品が多く出回り、鰹や昆布で出汁をひかない家庭も多い。そこで、出汁入りみそや化学調味料を使わない、天然素材だけのみそのおいしさ、京都の伝統と文化に育まれたねりみそを伝えたいと思いました。師匠から受け継いだ味噌菜は数十種類ありますが、現在は入手困難な食材もあります。そうした理由で、商品化できているのは7種類のみ。今後は改良を加え、〝古くて新しい伝統の味〟を紹介したいと考えています」


◆おいしい食べ方

 野菜スティックに合う「伏見唐辛子みそ」、豆腐と相性がいい「九条葱みそ」など、おすすめの食べ方をサイトで紹介し、商品にも同梱。顧客に提案すると同時に、「利香庵」のねりみそを使っている飲食店からは、新たな食べ方を知ることも多いという。
 「当店一押しの食べ方は、賀茂なす田楽。『鶏みそ』の濃厚なうま味が、肉質のしっかりした賀茂なすとマッチして、おいしく食べられます。カフェのオーナーさんからは、豚の角煮、大根、煮玉子の炊き合わせに餡をはり、そこに『鶏みそ』と刻んだ生姜を乗せる料理が人気になっていると聞きました。また、バニラアイスに『鶏みそ』と針生姜を添えた料理では、それらが口の中で絶妙に混ざり合い、フランス人の方が絶賛されたという話も聞きました。さまざまなご意見から、アイスクリーム用のみそや、パンに塗るみそなどを開発してみようかと思っています」


◆発信したいこと

 ネットショップ設立から日が浅いため、売り上げに変化は少ないが、年始挨拶の贈答品としての注文が多く、その時期に売り上げがアップする。今後はネットを通じて、ねりみそや伝統食材を広める活動を発信していきたいという。
 「全国にあるみそ蔵を料理人目線で紹介するコンテンツを作り、さらに各地のみそを使った商品を開発し、多くの方が共感できるサイトを作りたいと考えています。また、京都府綾部市は賀茂なすの産地の一つですが、過疎化が進んでいます。そこで、綾部産賀茂なすの知名度を上げる手伝いをしたいと思い、現地の農業生産法人とのコラボで『ねりみそ』の販売イベントを計画しています。こういった活動もネットで発信していきたいです」


〈運営会社概要〉
【運営】ねりみそ工房 利香庵
【開設時期】2014年8月
【スタッフ数】2名
【ショップ形態】自社ショップ
【導入システム】カラーミーショップ、イプシロン決済サービス
【配送委託先】日本郵便
 ※ネットショップ向けの卸については応相談

「ちりめん山椒みそ」

髙橋宗孝氏

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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