【ネットショップ 「売れる」デザイン・演出テクニック】連載32 女性ターゲットのデザイン指向性/著者プロフィール

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長山衛氏

長山衛氏

厳しい寒さから一変、一雨ごとに暖かさを感じるようになりました。春は入学や就職など人生の節目となる出来事も多く、同時に新しいことに挑戦する意欲が湧く時期でもあります。
そして、新しく何かを始める際に、関連商品を同時にそろえることが多々あります。
 いかにして購買意欲のあるお客さまを取り込めるかが勝負ですが、今回は女性の購買行動を基に、デザイン指向性をお伝えします。


やる気から買う気へ

 例えば、露出が増える季節に向けて、今からダイエットを始めようとしている女性がいたとします。昨今では購入前にネット検索する方が9割に達しますが、検索エンジン経由で「ダイエット」と検索することが代表的です。
 そうすると、一般的には「ジム」や「エステ」がヒットします。しかしすぐに飛びつかず、テレビ、雑誌、有名人ブログ、友人・知人・家族と、さまざまなチャネルを駆使して情報収集をします。
 ECで行きつく先としてはより安価な美健商材などが相当します。


女性の思考は深くて広い

 科学的に女性は脳梁が太いと言われており、会話で顕著ですが思考する際にも脳全体を使う傾向にあります。つまり、このような商材を見た際にはさまざまな不安要素がよぎります。
「本当に痩せるの?」「本当に安い?」「誰か知っている人がいるかな?」「もし失敗したらどうしよう」「私に合っている?」「誰か使っている人いる?」
 それでも最後は勢いつけて購入しますが、それに至る道筋は明確にすべきです。


最後はポジティブ訴求を

 特に初回購入時はハードルを下げるためにサンプル・試供品を使います。そして大抵FUD訴求をします。FUDとは恐怖、不安、疑念を煽る売り方です。「このままでいいんですか?」などと顧客の恐怖を煽り購入に至ります。
 ただし注意点は、これは初回購入時など初期の顧客に留めておくべき手法でしょう。
 ブランドや商品を壊していく売り方だからです。だから次のアップセル時には未来への希望を表現するような訴求が必須です。
難しく考えず「このままでいいんですか?」と訴求したら、「このような未来が待っています」と、反対の表現を心掛ければいいのです。
 感情的ベネフィットを刺激して”共感”をしてもらうのですが、ヒントをお伝えします。
 顧客のターゲットが憧れる有名人ならどんなことを言うのか、どのような人なのかを分析して、そのキャラクターを借りてきた表現をするのです。
 できる限りポジティブなイメージを描いてデザインやコピー表現を心掛けてみましょう。
 当然、最低限の不安を解消する買いやすさや機能的ベネフィットがデザインに反映されていることが前提の話になりますが、必ず未来を見せるデザインを心掛けることが重要です。(月1回掲載)


〈プロフィール〉
 長山衛(ながやま・まもる)氏
 某大手食品ECサイトで運営を手掛けた後、08年10月にECサイトの運営代行などを手掛ける株式会社ネットショップ総研を設立。
 11年11月に「食品ネットショップ『10倍』売るための教科書 リピーターを確実に増やす商品プレゼン77のテクニック」(日本実業出版社)を上梓。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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