■トップは2〜3%
売り上げが10億〜20億円規模に成長してきたリピート通販企業では、アフィリエイト広告で集客をしたいと考えるケースが増えてくるようです。
多くのアフィリエイターは、アフィリエイターと広告主の仲介役となるプラットフォーム(ASP)を活用して、アフィリエイト広告の記事を書いています。アフィリエイト業界の中でも2〜3%しかいないといわれるトップアフィリエイターの中には、1カ月に数億円を稼ぐ人もいるようです。ただ、ほんの一握りです。
なぜ、これほど稼ぐアフィリエイターが存在するかというと、彼らの場合、ASPを通すことなく、広告代理店などから直接仕事を請けているということが、理由の一つとして挙げられます。もちろん、彼らのサイト作成のスキルが高いことは言うまでもありません。
事業者にとっては、そういったトップアフィリエイターに記事を書いてもらえると、大きな売り上げにつながります。ただ、アフィリエイターの数は非常に多く、ASPからトップアフィリエイターに発注された案件が、別のアフィリエイターへ、さらに別のアフィリエイターへと二重に、三重に発注されているという実態もあるのです。
こうなると、事業者側は成果の正しい単価が把握できません。アフィリエイター側からも、「単価設定にばらつきがある案件」として不信感を持たれることになります。
■CVRとキャスティングが肝
そもそも、アフィリエイターが案件を選ぶ際には、コンバージョンレート(CVR)を重要視するのが通例です。CVRとは、ユーザーがアフィリエイトサイトから広告主のページに流入した際に、実際の成果につながる割合を示す数字で、成果報酬の額にも直結します。このCVRが5%以上でなければ、トップアフィリエイターは案件を選ばない傾向が強いです。つまり、トップアフィリエイターに選ばれるためには、それに見合ったCVRを設定した案件であることが重要です。
当社でもアフィリエイト広告のコンサルティングをしており、多くのアフィリエイターと直接つながりを持っています。売れるアフィリエイターに選ばれる案件を作成するための独自のメソッドも構築しています。広告主の成果単価やCVRを踏まえて案件設定を行うのがポイントです。
売れるアフィリエイト広告を作成してもらうためには、「トップアフィリエイターに選ばれる案件を準備すること」や、「トップアフィリエイターを直接キャスティングできる広告代理店と取引すること」などが重要だと考えます。
ただ、トップアフィリエイターだけが記事を作成しているわけでもなく、多くのアフィリエイターたちがさまざまな表現で記事を書いています。そこで気になるのが、広告表現の問題ではないでしょうか。
表現に関しては、広告を出稿する媒体ごとに審査があり、審査基準はさまざまです。さらに、アフィリエイト広告の表現が薬機法に抵触していれば、事業者が指摘を受けます。
次回は表現をクリアにしながら、アフィリエイターをどうコントロールしていくかという点について、解説していきたいと思います。(つづく)
〈筆者プロフィール〉
ライフエックス代表取締役社長 工藤一朗
1980年生まれ、大学卒業後、総合通販のベルーナに入社。入社後すぐに売り上げナンバーワンを記録。その後、東証一部上場企業の営業部長などを経て退社。
09年にライフェックスを設立し、一貫して通販・ダイレクトマーケティングに従事する。日本通販CRM協会役員兼務。
【リピートEC 成功の秘訣「真の顧客満足向上とは」】第8回 トップアフィリエイターに選ばれるための戦略
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