【徹底解説! 楽天市場画像基準改定】第1回 にぎやかさが「安っぽい」に

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■年末商戦に向けた対応を

 18年7月に行われた楽天EXPOでの戦略共有会で、以前から店舗担当者の間で話題になっていた「商品画像登録ガイドラインの必須化」が、ついに実行に移されました。猶予期間後の19年1月からは、ガイドラインに違反した画像を掲載した店舗に違反点数が加点されることになります。違反点数の蓄積により、最悪の場合、楽天市場での営業が一定期間停止になったり、強制退店を命じられたりすることもあります。その他、最大300万円の違約金が課されることもあります。
 楽天市場が「ユーザーの声」を対象として、さまざまな調査を繰り返し行った結果、今回のガイドラインが制定されたようです。
 今は多くの店舗にとって、年末商戦に向けて動くべき大切な時期です。19年1月に営業停止などの対象となってしまったら、その後の売り上げにも大きく響いてしまいます。今回のガイドラインの内容と要点をしっかり抑えて、19年1月から気持ち良くスタートが切れるように、準備をしていきましょう。
 楽天市場はこれまで、店舗の個性を生かせるECモールとして展開してきました。そのため、ユーザーの目を引きやすい「にぎやかな商品画像」をむしろ推奨してきました。
 これまで、この「にぎやかな商品画像」が、実際に売り上げなどの結果につながってきたことも事実です。
 ただ近年は、「急速なモバイルシフト」「高機能なカメラを搭載したスマートフォンの所持率の増加」「SNS利用の増加」などに伴い、ユーザーが商品画像に対して求める内容が急激に変わってきています。
 実際に、楽天市場に対してユーザーから多く寄せられているのは「商品画像内の情報量が多すぎて、商品を探しにくい」という声です。
 楽天が定期的に実施しているユーザーに対するアンケート調査にも同様の声が寄せられています。全数十項目に及ぶ質問項目の中でも、「商品が探しにくい」という点は、最も改善が求められているポイントの一つだったそうです。
 調査結果によると、商材のジャンルによって多少ばらつきはありましたが、すべてのジャンルにおいて、従来の「にぎやかな画像」は、残念ながら「見にくい、安っぽい感じがする」という評価であることが分かりました。そこで、今回のガイドラインが制定されました。
 ただ、楽天市場は「Shopping is Entertainment!」を掲げています。楽天は、店舗の個性も重要であると考え、「にぎやかな画像」を全面禁止することは行いませんでした。
 今回のガイドライン改定は、サーチ結果やランキングに利用される、商品画像欄の第1商品画像のみを対象としています。
 次回は具体的な画像仕様変更の詳細と対策について解説します。(つづく)


〈プロフィール〉
仲村 和浩氏(なかむら・たかひろ)
 株式会社ワンプルーフ 取締役

 2009年にワンプルーフに参画後、楽天市場などのECモールで、大手メーカーや中小企業まで300社以上の、店舗立ち上げや運用に携わってきた。ブランドやメーカーの直販EC戦略設計を得意とする。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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