【業務効率 アップしました】〈下村家具「赤や」〉/業務効率化で顧客サービスが充実

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新サイト「AKAYA since1952」のトップページ

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老舗家具屋として奈良県内に実店舗を構える下村家具(本社奈良県、下村喜昭社長)は04年からECサイト「赤や」を運営している。現在は楽天、ヤフー、アマゾン、DeNAに出店しているほか、ターゲット別に複数の自社サイトを開設している。
 自社では在庫をほとんど持たず、注文が入るたびにメーカーに発注書を送っている。200社以上のメーカーと取り引きがあるにもかかわらず、家具メーカーの多くはFAXでのやり取りが中心だ。
 手作業で発注処理を行っていたため、繁忙期は4~5人の担当者で朝から昼まで発注書を送っていた。第1回の楽天スーパーセールのときは夜中の2時までFAXを送り続けたという。
 11年にZONZON(本社東京都、山本哲也社長)が提供する受注システム「出荷職人」を導入した。「発注書が一括送信できるという文言が目に留まった」(下村家具・竹田幸三郎インターネット事業部長)のがきっかけだった。
 導入前は各メーカーの発注状況の管理が大変だったが、「A社分、B社分、C社分…」と自動で振り分けられるため、受注処理にかかる時間は通常では30分に短縮。ミスもなくなったという。
 下村家具は注文後のサンクスメールも、注文内容に合わせて細分化している。例えば、特定の本棚用の棚板だけを購入した顧客には、「こちらの本棚をお持ちですか?」と問う内容を盛り込むなど、購入後のトラブルを未然に防ぎ、顧客満足度向上に努めている。
 このため、ZONZONに対して「こういう注文にはこういう文面のメールを送りたい」といった要望をたびたび行っているという。
 竹田事業部長は家電量販店の店頭で販売していた経験を持つ。「対面の接客経験がネット通販のお客さま対応にも生かされていると思っている。要望にしっかり応えて業務効率化と顧客満足度向上に貢献したい」(ZONZON・山本哲也社長)と話している。
 下村家具は3月16日に自社ドメインの「AKAYA since1952」を開設する。取り扱い商品が多いため、「探しているものが必ず見つけられる」をコンセプトにした。例えば本棚なら価格だけでなく、幅、高さ、奥行きが1センチメートル単位で検索できる力の入れようだ。
 「家具業界では珍しく、チャット機能も付けた。チャットは外注が難しい。『出荷職人』で業務効率化を図ることで人員をチャットなどのお客さま対応に充てられ、サービスの質が向上できる。数ある通販サイトの中でも特に接客を重視していきたい」(竹田事業部長)と話している。


〈企業データ〉
 社名:株式会社下村家具
 出店先:自社サイト、楽天市場、ヤフー、アマゾン、DeNA
 導入システム:「出荷職人」
 配送委託先:メーカーから直送
 EC担当者数:約20人

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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