【踊らされない!戦略的自社ECのTEC活用術】第4回 全ジャンルでLINE経由売上は10%

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 前回は、ECサイトの決済やログインについて、ユーザーがいかに手軽に使えるか、ということが重要だとお伝えしました。今回は、LINEを活用した集客方法について解説します。


■オールジャンルに有用

 私がセミナーなどでEC運営担当者に、「LINEを販促に使っていますか?」と聞くと「はい」と回答する人は半分もいません。
 「高い費用がかかる」「若い女性ユーザー向け」「クーポン配信がマスト」などと思われがちですが、これらは全て誤解です。
 ビジネス向けのラインアカウント「LINE@」には、現時点では無料のプランもあります。一方、LINEは年齢に関係なく、スマホユーザーであればほとんどが利用しています。ユーザーにとっては登録の手間がかからず、企業にとっても、ユーザーへの情報配信が容易なのが、LINEの強みです。ターゲットが50代以下であれば、まずは業種に関係なくアカウントを作ってみることをお勧めします。


■クーポンは必須ではない

 企業のLINEアカウントの友だち登録を増やすためには、何らかのインセンティブが必要です。ただ、必ずしも安売りやクーポンの配布を行わなくてはならないというわけではありません。
 例えば、ファッションブランドのナノ・ユニバースの公式アカウントでは、セールなどの月間スケジュールをまとめたものをLINE限定で配信したりしています。ブランドのファンは、メリットのある情報を早くからほしがるものです。情報が早くほしい人に対して早く届けるということも、大きなインセンティブになるのです。クーポンを配布してCVにつなげることが基本だと思われがちですが、まずはファンを取り込んでいくことの方が重要です。


告知は大々的に

 LINEのサービスを開始したら、まず重要なのが、告知は必ず大々的に行うということです。ECサイトの目立つところに、サービス開始のバナーを置くだけで、登録者が2〜3倍になった例もあります。
 すでにLINEを活用している企業の間では、どんなジャンルの商品であっても10%はLINE経由の売り上げがあるようです。アパレルでは20%を超えることもありますし、50%を超えたという企業もあります。
 まず目指すべきなのは、自社のLINEの登録者数をスマホメルマガの登録者数よりも多くすることです。LINEは、1〜2回のタップで友だち登録が完了します。メルマガより登録の手間もかかりません。
 例えば、LINEの登録者数を1万人にしようと思えば、今すぐに獲得施策を本格化する必要があるでしょう。(つづく)


〈プロフィール〉
 ビジョナリーホールディングス 執行役員 デジタルエクスペリエンス事業本部 事業本部長
 川添・隆(かわぞえ・たかし)

 アパレル関連企業2社を経験後、前職ではEC事業責任者として売上倍増に寄与した。2018年4月よりビジョナリーホールディングスで現職。ECを4年で3.4倍に拡大。オムニチャネルに取り組む傍ら、コンサルも手掛け、EC関連のセミナーにも多数登壇している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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