【EC注目株!】第32回〈サンワカンパニー〉 今期計画は22%の増収、79%の最終増益で立ち上がる/IPO人気も一段落 本来の成長力が評価されるスタートラインに

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2013年9月に上場したサンワカンパニー(3187、9月期決算)は、広範な建築資材・設備のネット販売を展開している。
 上場後、実質上初の決算期となった14年9月期は「29・7%増収、39・8%営業増益、29・7%最終増益」で始まり、今期も「22%の増収(84億円)、59%の営業増益(7億6000万円)、79%の最終増益(5億円)」計画で立ち上がった。
 建築資材・設備のECを展開するサンワカンパニーのビジネスモデルは、次のような枠組みである。
 *6割超のオリジナル商品を軸に、中間流通費用を削減した割安価格でエンドユーザーに販売する。
 *販売価格は顧客がゼネコンや工務店、一般ユーザーであろうが同一価格。
 *顧客の「実際にこの目で見て」という要望には、ショールームを積極的に展開。既に東京・名古屋・大阪・福岡に開設。かつ集客の利便性や来場客の満足度を求め、来客希望の潜在顧客の要望に応える商品展示を図るため、名古屋を初め増床移転が計画されている他、その他地域での新規出店も模索中。
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 同社のIR/PR担当者は、「デザイン性に注力をしています」とする。現に5年連続で「グッドデザイン賞」を受賞。今年早々にはデザインアワードで著名な「iFデザイン賞」を2商品で受賞している。
 そんな同社の株価の動きは、13年9月17日に3500円(公開公募価格950円)の初値でスタート。9月26日に2450円まで利食い売りをこなし、その後は月次ベースの高値・安値水準を切り上げ、14年1月21日に9140円に到達。2月4日の4745円まで調整し再度上昇局面へ。
 そして3月27日を発効日に1対5の株式分割を実施。27日の始値1050円から新たな相場入り。6月2日に1350水準まで買われたのを機に調整局面入り。時価は600円余り。
 株式投資は自己責任、とまずは”逃げ”をうっておく。
 小型株は「乱高下」の宿命を一方に背負っている。
 しかし同社の成長力に対し、「株価は割り負けている」と、小型成長株の投資判断に重宝される経験則『PEGレシオ』(時価の予想PER÷今期予想を含む過去5期間のEPS平均成長率)が教えていることも事実。「算出値が1以下は買いに向へ」がその教え。ちなみにサンワカンパニー本稿作成時のPEGレシオは0・26。IPO人気に担がれた相場も一段落。
 「ここからがむしろ、本来の成長力が評価される相場のスタートライン」と捉えておきたい。


〈筆者プロフィール〉
千葉明(ちば・あきら)氏
 昭和24年(1949年)6月18日、群馬県前橋市生まれ。群馬県立前橋高等学校、明治大学政経学部卒業。1973年4月、日本短波放送(現日経ラジオ社)入社。1976年5月、経済評論家・亀岡大郎氏に師事。1982年6月、独立、(有)オフィスエーシー設立。そして自営のいまも、新聞・雑誌の原稿作成、書籍上梓、講演活動に従事。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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