【こだわりの逸品を全国展開 特産品EC】第87回 〈美唄やきとり、そば専門ECサイト「福よし」〉/北海道・美唄の味を全国に発信

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小宮菜津美氏

小宮菜津美氏

 北海道石狩平野のほぼ中心に位置する美唄市。かつて炭鉱の街として栄えたこの地で働く人々のスタミナ源となったのが、「美唄やきとり」だ。創業80年を超える老舗「福よし」は、札幌や東京などに実店舗を構えているほか、ネットショップを通して地元の味を全国に広めている。ネットショップ担当の小宮菜津美氏に聞いた。

◆商品の特徴

 美唄やきとりは、1羽のさまざまな部位を一つの串に刺しているのが特徴。臓物が多いことから、「もつ串」と呼ばれている。
 「当店の『もつ串』は、モモ肉、タマネギ、キンカン、レバー、砂肝、ハツなどを一串に刺し、味付けは素材のおいしさを生かした塩・こしょう、そして炭火の強い火力で焼き上げます。ネット販売の商品は、美唄本店で一本一本丁寧に焼き上げたものを真空パックしているので、店の味をご家庭で手軽にお楽しみいただけます」
 「もつ串」をそばに入れて食べる「もつそば」も、この地域ならではの名物メニュー。「福よし」が「もつそば」発祥の店だという。
 「今から約20年前、あるお客さまが美唄本店のカウンターでかけそばを注文し、残った焼き鳥を串から外し、お皿に残っていた油も全部そばの中に入れて食べていました。すると、『焼き鳥を入れると、そばが変わるんだよ』と一言。今ではこれが〝福よし流〟として人気です」


◆売れ行き・反応

 「福よし」の実店舗は現在、北海道内に13店舗、東京銀座に1店舗あるが、「遠くてひんぱんに店に通えない」「北海道外に住む知人に美唄やきとりを味わってほしい」という店のファンの声を受け、ネットショップを開設した。
 「購入画面のアンケートから見ると、実店舗の利用者がネットで購入されるパターンが多いです。毎回80本ずつ購入されるリピーターの方もいます。売り上げのピークは12月で、通常月の約5倍。『もつそばセット』は化粧箱入りなのでお歳暮用の注文が増えますし年越しそばとして購入される方も多いですね。印象的だったのは、最初にそばセットを一つ注文された方が、『おいしかったので、また注文したい』と電話をいただき、家族行事で使う贈答用そばセットを大量に注文してくださったことです」


◆全国への広がり・販促

 テレビ番組「秘密のケンミンSHOW」で「福よし」と「美唄やきとりそば」が紹介された直後、注文は通常月の約10倍に伸びた。
 「放送に合わせて対象商品をホームページのトップ画面に表示し、メルマガを送るなどの工夫をしました。北海道外からの注文が増え、認知度アップにつながったと思います。また、実店舗の情報、さっぽろ雪まつりや物産展などイベントへの出店情報も、ホームページやフェイスブックページで随時更新しています。今後は、ネットを通じて美唄やきとりをもっと多くの方に広め、商品数を増やして『福よし』の魅力をアピールしていきたいと思います」


〈運営会社概要〉
【運営】有限会社 エスパシオ
【開設時期】2008年8月
【スタッフ数】3人
【ショップ形態】自社ショップ(運営は一部代行会社)
【導入システム】Xcart
【配送委託先】ヤマト運輸

そばともつ串の「もつそばセット」

定番やきとり「もつ串セット」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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