【中国越境ECの”今と現実”】第2回 年間四つのイベントで成長

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《国内ECは104兆円市場》

 中国国内のEC市場の規模は2017年の時点で、約6兆1000億元(約104兆円)にまで成長しています。日本では、年末商戦や歳暮など、消費行動が盛んになる時期があり、ECモールもこれに合わせてセールを行います。中国も基本的には同様ですが、日本と違うのは、ネットだけで消費行動が盛んになる時期がある点です。各ECモールのセールイベントに、ライバルを含めた他モールやショップが便乗し、気が付いたらネット上の一大ECイベントになっていた、というケースが散見されます。6月18日前後の「618セール」や、独身の日に合わせたセール「双11(ダブルイレブン)」「黒五(ブラックフライデー)」「双12(ダブルトゥエルブ)」などがそれに当たります。


《独身の日に並ぶ「618」》

 「618」の6月18日は、もともと京東(ジンドン)の設立記念日。記念日に合わせて行っていた京東のセールが、ネット上で広まっていったのです。17年の618における、京東の販売額は、1199億元(約2兆383億円)でした。
 ちなみに16年の双11における、天猫(T—モール)の販売額は1207億元(2兆519億円)でしたから、618における京東の売り上げは、それに匹敵する金額と言えます。ただ、双11は11月11日の1日の販売額ですが、京東の618イベントは、2017年6月1日から6月18日までの累計販売金額という違いがあります。時期も双11と半年ずれていますから、一概に単純比較はできないと思いますが、大きなイベントであることには間違いがありません。

(続きは、「日本ネット経済新聞」3月22日号で)


〈プロフィール〉
小嵜 秀信氏
 Eコマース初期より大手企業のECサイト・通販運営に従事。その後、EC事業会社、ECシステム会社の経営を経て、中国国内にて輸入品スーパー事業と中国越境EC事業などを手掛ける。また、日本初のEコマース学術研究機関である東海大学総合社会科学研究所Eコマースユニットにおいて、客員准教授として学術研究・教育にも従事。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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