【売上50億円を超えても成長し続ける仕組み作り】 第2回〈成長する組織を作るための仕組み化〉/個人ではなくチームで攻めるこつ

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 「オシャレウォーカー」は創業以来一貫して売り上げが伸び続けているが、低成長にとどまった時期もあった。販売戦略の構築とメンバー一丸となって目標に向かう推進力のおかげで、この危機を乗り越えられた。
 推進力を生むためには、目標の明確化とメンバーが目標に向かって力を発揮できる「仕組み化」が重要である。そうすれば個人(点)ではなくチーム(面)で攻める力を得ることができる。

■活動の目的と目標を明確化

 活動を始める前に、目的と目標を明確化してメンバー全員で共有すること。メンバーが同じ方向に向き、活動を行えば、個人では生み出すことできない推進力が生まれる。また、目指すべき方向(目的と目標)が明確であれば、活動の軌道修正が行える。
 例えば、会議を始める前には、目的と目標を明確に設定し、目標に到達するためのアイデア・活動を最短時間で決定する。

■目標の因数分解

 目的と目標を明確にした後、メンバーで行動するが、その成果を最短で最大化するためには、目標を部署、個人の行動まで因数分解することが重要である。さらに行動の責任者と納期を明確化する。これを繰り返すことで、目標を行動まで落とし込む力がメンバーに伝わり、メンバーが自ら目標に向かって行動できるようになる。
 メンバーの考える力、行動力がつくまでは、目的・目標・行動を一緒に考えることも重要だ。

■PDCAを回す。成功するまで諦めない

 PDCAを回すためには、活動の管理指標を決めて、予想される結果を想像して取り組む。
 予想した結果と異なる結果が出た場合、手段が正しかったのかを再確認できる。また、実際に予想と異なる結果が出てきた場合、今までにない新しい知見が得られる可能性がある。
 例えば、新商品が予想以上に売れた場合、その理由を考えて、より売れる方法を見つけ出す。また、他の商品に応用できないかを考える。

■寝ても覚めても標準化

 メンバーや会社全体の基礎能力を上げるためには、標準化が必要である。新しいアイデアや革新は個人から生まれる場合が多い。しかしながら、それらを誰でもできるようにすることが、会社全体のレベルアップにつながる。属人化ではなく標準化を常に意識付けること。
 例えば画像制作やキャッチコピー、お客さま対応、商品仕入れなど、一見、標準化しにくいと思えることでも、考え方やこつ、業務を因数分解して、それらを構成要素まで分解・文面化することで、メンバーが理解・応用できるようになる。
 永続できる強い会社を作るために、現状を是とせず、高い目標を掲げて、常に新しいことに取り組みたい。そして、それらの活動を組織、部署、個人まで落とし込み、メンバー一丸となって取り組める風土と仕組みを作っていきたい。(つづく)


〈プロフィール〉 mighty 仲庭拓也統括部長

 工学博士。海外での会社設立〜工場建設〜資材確保〜販路拡販業務を6年間行う中で、トヨタ生産方式を用いた改善、人材育成、物流業務などを経験・習得。日本へ帰国後、株式会社mightyの統括部長として通販全般の運営を担当。売り上げ改善を中心に、社員教育、業務改善に取り組む。その結果、17年度は前期比130%以上の売り上げ向上を達成することができ、18年度はさらに売り上げを伸ばすことができている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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