【EC注目株!】第31回〈ビューティガレージ〉 想定を上回る立ち上がり 中計は売上高100億円を想定/今年に入り3倍強の大幅上昇 強気に時価に対応を

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千葉明氏

千葉明氏

 ビューティガレージ(3180)は、理美容機器や業務用化粧品の専門商社。
 通販サイトで始業、「想定を上回る立ち上がり」(IR担当)から、その後ショールーム(全国10カ所展開)での対面販売やカタログ通販も加わり業容拡大の最中だ。
 ”拡大”は、2017年4月期を最終期とする中計目標に見て取ることができる。「売上高100億円(14年4月期実績比55%増)、経常利益7億円(2・4倍)」を想定。会員数の増加にも象徴的。会員口座総数22万超、アクティブユーザー数は今期中間期末で7万2430人と前年同期比23%の増加となっている。
 03年4月設立、13年2月上場という若い企業の勢いにはそれなりの背景がある。
 それは以下に収斂されよう。
 (1)販売対象商品の仕入れから販売に至る過程の簡素化による低価格の実現(2)豊富な品ぞろえ。取り扱う商品数は昨年末時点で60万点を超えている(3)(高付加価値)PB商品の開発に積極的。今期中間期末時点のPB品比率は61%強(4)店舗設計や開業時の資金調達支援をはじめとする、サロン経営に対するソリューション事業の徹底。社内に10分野の専門スタッフ体制が敷かれ、ワンストップでの対応が可能(5)ソリューション事業の拡充に積極的。例えば顧客であるサロン側と就労希望者を結ぶ、完全成果報酬型の求人サイトを開設した(6)商機を見るに敏。例えば、まつげエクステの施術者が美容師免許取得者に限定され、需給バランスが崩れた。「需要は今後とも拡大」と判断。早々にまつげエクステサロンに特化した商材卸・経営支援の子会社を設立(7)原点への間断なき注力。物販の発祥・ECの売り上げ構成比を中計で66%に引き上げる(14年4月期末52%)計画を表明─。
 この他にも一段の成長を招き寄せる施策に手抜かりはない。「VIP会員制度」や「ポイント制度」の導入。午後5時までに受注した小物・化粧品等は翌日納品体制などに見て取れる。
 さてそんな同社を投資対象とする場合、弱気は禁物とみる。
 この間の相場の起点は昨年5月23日の1545円、今年2月13日の年初来高値まで3倍強の大幅な上昇。時価は高値から3%近い下値水準。10%余まで調整があって不思議ではない。
 だがあえて時価に対応してみたい。
 今期は「14%増収、15%営業増益、27%最終増益」計画。収益はここ数期間の位相から、明らかに居所を変える動き。
 株価は4000円台後半が地相場となったと捉える。


〈筆者プロフィール〉
千葉明(ちば・あきら)氏
 昭和24年(1949年)6月18日、群馬県前橋市生まれ。群馬県立前橋高等学校、明治大学政経学部卒業。1973年4月、日本短波放送(現日経ラジオ社)入社。1976年5月、経済評論家・亀岡大郎氏に師事。1982年6月、独立、(有)オフィスエーシー設立。そして自営のいまも、新聞・雑誌の原稿作成、書籍上梓、講演活動に従事。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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