【ネットが拓くリテンションの時代】連載10 「お金」でマネジメントする

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■お金の概念が変化

 近頃、通販コスメの商品開発や販売戦略について、相談を受けたことがある。
 一昔前は団塊世代がシニア年代に大量に流入していたため、新規のエイジングケア商品を開発することと、シニア顧客を効率良く刈り取っていくことが成功の鍵であり、新規獲得コストとかコンバージョン率とかをベースに、経営戦略を構築すればうまくいっていた。
 しかし、団塊世代が後期高齢者に区分される年代になってくると、加齢に対する抵抗欲求も低下するし、海外旅行などのアウトドア活動も体力的に困難になり、使用する「お金」が減少してきている。おまけに、消費の主力であった若年世代が少なくなり、ますます「お金」は使われなくなっている。
 AI、ネット、フィンテックの普及によって、金融業界でも店舗数削減や窓口人員削減というニュースがマスコミ上で話題になっている。
 「お金」の概念も、流通系・交通系・サーバー系の電子マネーの普及と共通化、およびポイント制の疑似通貨化により、大きく変化している。
 氏名の書かれていない現金では不可能であった顧客の出納状況を把握し、マネジメントできる時代が到来した。

■ビッグデータの活用

 マネジメントの具体的事例と方向性を表しているのが、中国のマネー事情だ。現在の中国は現金ではなく、スマホのQRコードやカードで決済する、キャッシュレス社会になっている。

(続きは、「日本ネット経済新聞」12月7日号で)


<プロフィール>
伊藤 博永(いとう・ひろなが)
 1993年3月、旭通信社(現ADK)入社。2001年4月、価値総研取締役、09年4月、ADKダイアログ代表取締役社長、12年1月、アディック取締役(現任)、15年9月、日本リテンション・マーケティング協会理事(現任)。
 筆者に関する問い合わせは、一般社団法人日本リテンション・マーケティング協会事務局(03―6721―5927)担当・鈴木まで。 http://j-rma.jp/

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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