【ネットが拓くリテンションの時代】連載8 既存顧客の継続向上を

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■既存維持に無頓着
 わが国の企業は新規顧客獲得には熱心だが、既存顧客の育成と維持には無頓着。広告会社に勤務していたころは、「新規顧客獲得=顧客獲得のための広告出稿=広告会社の売り上げ達成」の連鎖が頭脳深くに刷り込まれ、新規顧客獲得が使命であった。
 だが、ここ数年は新規顧客獲得コストが高騰していく中で、ダイレクトマーケティング企業は、マーケティングコストの安い既存顧客維持に注力していくと思っていた。しかし、ほぼすべての企業で既存顧客重視のリテンション・マーケティングより、新規顧客獲得重視のマスマーケティングが優先されている。
 リテンション・マーケティングの話を聞き、活用を前向きに検討してくれたのは、外資系企業ばかりであったと記憶している。どうもその根底には、わが国に蔓延している「釣った魚に餌はやらない」的な発想や、「マーケットシェア重視」の意識が深く根差しているのが原因ではないかと思っている。

安心感と油断が

 通販コスメ、通販サプリ、通販保険の担当者と会議を重ねるうちに、既存顧客については「めったなことでは浮気はしない」という安心感があり、リテンションに関しては「今まで実施してきた施策を継続しているから大丈夫」と過信がある。

(続きは、「日本ネット経済新聞」10月12日号で)


<プロフィール>
伊藤 博永(いとう・ひろなが)
 1993年3月、旭通信社(現ADK)入社。2001年4月、価値総研取締役、09年4月、ADKダイアログ代表取締役社長、12年1月、アディック取締役(現任)、15年9月、日本リテンション・マーケティング協会理事(現任)。
 筆者に関する問い合わせは、一般社団法人日本リテンション・マーケティング協会事務局((電)03―6721―5927)担当・鈴木まで。 http://j-rma.jp/

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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