アールイー(本社東京都、今井直樹社長)は23年秋、東京産の野菜や果物を店舗で受け取れるECサービス「VEGESH TOKYO」を立ち上げた。ECサイトで注文すると、東京・新宿ルミネやコピス吉祥寺などで、送料無料で受け取れる仕組みだ。事業を通じて物流の課題解決を図るとともに、東京産の生産品の流通を目指している。事業を立ち上げた背景や今後の事業展開について今井社長に聞いた。
─今井社長の経歴を教えてください。
2008年にリクルートに入社して約3年間、飲食店向けの営業を経験し、その中でも高級店への営業を行っていました。その後、経営企画室や旅行メディア「じゃらん」の業務全般、ANAとダイナミックパッケージ専門の合弁会社の立ち上げの企画責任者などを経験しました。
その後、2016年に「アールイー」を立ち上げました。リクルート在籍時の経験から、新規事業の多くは、既存の技術やサービスの組み合わせであると分かり、さまざまな経営資源を有効活用したいと考え起業を決めました。特に、食品業界のサプライチェーンが大きいことから、これまで培ってきた経験を生かせないかと考えました。
当社では、日本各地の中小の生産者や食品メーカーに販路開拓を基軸にしたコンサルティングサービスを提供しています。さらに食品産業全般の専門家のコーディネートとデータ分析が特徴です。
食品産業の販路開拓は展示会における商談会が主力だったものの、コロナ禍をきっかけに、商談会の出展事業者と来場者が膠着化しました。これにより商談会における販路拡大が難しくなり、生産者やバイヤーからはオンラインをはじめ、個別商談会の要望が高まっています。そのニーズに応えるため、生産やバイヤーをリスト化し、事業者のニーズに合わせた販路開拓支援を行っています。コロナ禍に実施したことで、新幹線やドローンによる物流のお手伝いもしました。
─ECサイト「VEGESH TOKYO」を始めた背景について教えてください。
東京都デジタルサービス局が実施する「東京都産野菜の地産地消促進プロジェクト」として、消費者向けに東京都産品がどこで購入できるかテキスト記事情報で展開し、観光やレシピ情報をウェブ上で提供するとともに、ECサイトで持続的に東京都産品を購入・消費できるようにしています。都民のQOL向上に資するデータ活用の好循環を生み出す仕組みです。
もともと取り組みたかった事業です。東京の野菜の出荷金額は約170億円と言われており、
(続きは、「日本ネット経済新聞」4月18日号で)
<プロフィール>
2008年にリクルート入社。飲食メディア「ホットペッパー」の営業として、仙台エリア、首都圏全域の高級店営業、法人営業を担当、経営企画室、旅行メディア「じゃらん」などを経て、2016年に独立し、アールイーを設立した。
【アールイー 今井直樹代表取締役】 <野菜や果物を店舗で受け取れる「VEGESH TOKYO」を開始> 物流と生産者の課題解決目指す(2024年4月18日号)
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