薬用化粧品・健康食品のOEMを軸にEC・通販に特化した総合支援事業を展開する天真堂(本社東京都)の取締役社長に1月1日付で、執行役員を務めていた酒井裕一郎氏が昇格した。松崎淳前社長は退任した。酒井氏は、22年8月に同社の執行役員に就任して以来、天真堂の改革に取り組んできた。酒井氏がまず着手したのは企業理念の?アップデート?だ。「“こころ動く”生き方をつくる」という新たなミッションの下、全社一丸となって事業を再構築していくという。自社通販事業の強化にも取り組んでいく考えだ。同社の酒井新社長に話を聞いた。
■ワクワクするもの作る
─社長就任の経緯を聞きたい。
昨年8月、コーポレート部門の執行役員に就任した。以来、人事・労務・総務・財務・法務といった本社業務全般を管掌してきた。経営課題を洗い出し、経営戦略の策定や、組織活性化策の立案を行ってきた。前任の松崎淳社長が退任することになり、私に白羽の矢が立った形だ。
─執行役員に就任以来、改革に取り組んできたということだが。
力を注いだのが企業理念の再構築だった。当社のようなOEMの業態は、開発した商品が売れても、「お客さまの商品」であることに変わりはなく、「よりどころが無い状態」になりがちだ。だからこそ揺るがない企業理念を構築することが重要と考えた。社内から有志を募り、“変わらない目指すべきところ”として理念を構築する「北極星プロジェクト」を立ち上げた。昨年末に新経営理念を社内に向けて発表した。
─どのような内容か。
ミッションは「“こころ動く”生き方をつくる」とした。とかくメーカーは、ものづくりに徹するあまり「作って終わり」になりがちだ。それではいけないと考えた。お客さまはもちろん、作り手側のわれわれもワクワクするものを作ろうということで、それを社会的使命として明文化した。ミッションの下に、ビジョン、コアバリュー、そして社員一人一人の?考?動指針に当たる天真堂スピリッツを位置付けた=図参照。例えば、天真堂スピリッツの一つとして「常識は変えられる」ということを挙げた。「当たり前の前提条件」としていることも、本当に顧客企業や消費者にとって最適なのか、もう一度疑ってみることが大切だ。一見難しいことでも、やり続けることで乗り越えられることもある。こうした新経営理念を形骸化させることなく、社内に浸透させていくことが大切だと考えている。
■社員間の相互理解促進
─より具体的に、どのような改革を行っているのか。
(続きは、「日本ネット経済新聞」2月23日号で)
【天真堂 酒井裕一郎社長】 <化粧品・健康食品のEC・通販を総合支援> 新理念は「“こころ動く”生き方をつくる」(2023年2月23日号)
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