「楽天市場」に出店する山ト小笠原商店の代表取締役を努めていた小笠原航氏は今年6月、楽天に入社した。小笠原氏は運営していた「北海道お土産探検隊」で「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)」の受賞歴があり、「楽天市場」の有力店舗が講師になる店舗向け勉強会「楽天NATIONS(ネーションズ)」の初代講師も務めた有名店長だ。コロナで窮地に陥った特産品を詰め合わせた販売企画「ふっこう復袋」は、全国的に広がりを見せ、「楽天市場」のムーブメントになった。小笠原氏は楽天に入ることで「地域から日本を元気にしたい」「店舗と楽天の架け橋になりたい」と意気込む。楽天に入社した経緯や楽天内でのミッションについて聞いた。
■「ネーションズ」が契機の一つ
─出店企業の経営者から楽天に入社することになった経緯は。
16年、私を含めた5人の店長が講師となり、「楽天ネーションズ(当時は『R―Nations』」の第1期が開始した。楽天の上層部と話し合ったり、店舗から意見を聞いたりする中で、「楽天と店舗の思いのボタンの掛け違いもあるのかな」と感じ、非常にもったいない状況だと思っていた。楽天とそういった思いを話し合う中で、入社の話が持ち上がり、さまざまな手続きを経て、本当に入社することになった。「店舗と楽天の未来」というと大げさかもしれないが、自分が楽天に入ることで、店舗と楽天の「これからの形」を先に進めることができれば、と考えている。
─「楽天ネーションズ」がきっかけになったのか。
「楽天ネーションズ」は楽天としても初めての試みということもあり、われわれからもさまざまな提案をしていた。執行役員の野原(楽天 執行役員コマースカンパニーCOO&ディレクター)をはじめ、いろいろな社員が真剣に耳を傾けてくれた。「楽天ネーションズ」はその後、地方にも広がり、これまでに4000店舗以上が参加する取り組みになった。「楽天市場」の1割近くが参加する規模になっている。参加店舗は「楽天市場」の平均よりは売り上げを伸ばしており、素敵な取り組みとなった。他モールにはない取り組みだとも思う。こうしたプロジェクトに最初から関わることができ、楽天の社員の動きなども見ているうちに、「面白そうだな」とも感じていた。
■自治体のウェブ物産展を支援
─楽天に入社してどんな仕事をしているのか。
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〈プロフィール〉
小笠原航(おがさわら・わたる)氏
1966年、北海道千歳市生まれ。大学卒業後、リクルートに入社。30歳で家業である山ト小笠原商店に入社。代表取締役社長を経て、2020年に弟に代表の座を譲り、楽天に入社。地域創生事業のジェネラルマネージャーとして、「楽天市場」を活用した自治体のオンライン物産展の運営を支援したり、全国の店舗をエンパワーする取り組みを仕掛けたりしている。
【楽天 地域創生事業 ジェネラルマネージャー 小笠原航氏】 〈有名店長が楽天入社〉「地域活性化」「店舗と楽天の架け橋」が使命
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