【食文化 萩原章史社長】 〈給食食材買取事業で認知拡大〉コロナ禍で新規顧客50万人獲得

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 カニやフルーツなどの高級食材のECを展開する食文化(本社東京都、萩原章史社長)の20年4―6月期(第1四半期)のEC売上高が、前年同期比約4倍の22億円となった。コロナによる休校で行き場を失った学校給食の食材を、買い取ってECで販売する事業を行ったところ、メディアで取り上げられ、新規顧客が劇的に増加したのだという。コロナ禍の20年3~8月で獲得した新規顧客数は、約50万人に及ぶとしている。「ECの物量が増える中で、年末の需要に耐えられるよう、物流体制の整備と在庫の確保に専念する」と話す萩原社長に話を聞いた。

■生産者支援がきっかけに

 ─新型コロナの影響で、業績が大幅に伸びたと聞きました。理由を教えてください。
 当社のメインターゲットである、富裕層の新規顧客が圧倒的に増えたことが最大の要因です。3~8月の6カ月間だけで、新規顧客数は50万人に達しました。学校給食の食材を買い取って販売する取り組みが、多くの新規顧客にリーチするきっかけとなりました。
 給食食材の買い取り事業は、生産者を支援するための取り組みで、農水省の補助金を受けて実施しました。
 新型コロナの感染拡大を受けて、全国の公立の小中学校が3月初旬から休校となりました。学校給食として提供されるはずだったたくさんの食材が行き場を失ったのです。当社では、そうした食材を買い取り、ECサイトで販売する事業を開始しました。
 買い取り事業の開始当初は、全国の45事業者から、「加熱用カット貝柱 10kg 3万5640円」や「さつま揚げ 125枚 8100円」など、給食の食材300品目以上を買い取りました。
 こうした取り組みを、民放テレビ局の多数の番組が報じたことから、注文が殺到しました。購入した主婦層が、SNSで情報発信を行ったこともあり、口コミでも広がっていきました。
 こうして獲得した50万人超の新規顧客のうち約15万人が、年収1000万円以上の富裕層だったとみられます。

(続きは、「日本ネット経済新聞」10月15日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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