寝具のECサイトを運営するエムール(本社東京都、高橋幸司社長)は、06年の創業以来8期連続の増収を達成している。楽天やアマゾン、ポンパレモールなどで多店舗展開を実施し、14年10月には米国アマゾンにも出店した。国産寝具にこだわりオリジナル商品をECサイトで販売し続け、ブランド力と売り上げを向上させている。高橋幸司社長に今後の計画などについて聞いた。
アマゾン出店などで増収
─14年6月期の売り上げと、今期の見込みを教えてください。
14年6月期は前期比43%増の16億1000万円でした。今期の売上高は18億円を見込んでいます。14年度は既存店が伸びたことや、13年に出店したアマゾンやポンパレモールなどの店舗が定着したことが増収の要因となりました。これまで毎年は10~20%前後のペースで伸長してきましたので、今期も例年同様の10%ほどの成長に落ち着きそうです。
今期は売れている商品の規格を見直してサイズやカラーバリエーションを増加したり、枕やカバーなど布団に付随する商品の開発を行っています。
─エムールがこだわっていることは何ですか。
創業以来こだわってきたのは、卸をしないということと、売れ筋商品を製造し続けることです。小さなことですが、オリジナル商品には必ず「エムール」と入っているタグを縫い付けています。また、10年前後から地域の産学連携の一環で出張授業を行ったり、なでしこリーグの日テレベレーザのスポンサーになっています。結果が出るのに時間は掛かりますが、戦略的なPRにつながっていると判断しています。
15年1月から睡眠に関するネットメディア「ねむりくらし研究所」を立ち上げました。サイトでは睡眠に関心がない人にも、少しでも見てもらうための工夫として、プロスポーツ選手など著名人に睡眠に関するインタビューを行っています。ほかにも寝具の製造過程を動画で公開するなど、独自コンテンツを盛り込んでおり、取引先などから好評を得ています。現在はECサイトに連動させ、顧客にも裾野を広げているところです。
これらの取り組みもあってか、楽天市場に記載されている寝具ブランドのリンクタグで、「エムール」が加わることとなりました。これにより会社の認知度が、より向上するかもしれません。
(続きは日本ネット経済新聞 3月19日号で)
【インタビュー】〈創業以来、8期連続の増収を達成〉「寝具EC」エムール 高橋幸司社長/国産にこだわりブランド力向上
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