【スターフェスティバル 企画本部新規事業部 斉藤亜紀 氏】ミールキットEC事業に参入/有名店の味を自宅でも体験を

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 法人向けに弁当などの宅配を展開するスターフェスティバル(本社東京都、岸田祐介社長)は17年9月、食材キットのEC事業に参入した。将来的には、主力の「ごちクル」「シャショクル」に続く、三つ目の柱に育て上げる計画。今秋をめどに月1万食の販売を目指す考えだ。事業責任者の斉藤亜紀氏に事業開始の経緯や今後の展開について聞いた。

 ーーー「ごちレピ」を立ち上げた経緯について教えてください。

 ミールキット市場は新規参入が多く「レッドオーシャン」(競争の激しい市場)であるものの、働き方の変化や社会的背景もあり、ニーズがあると考えました。
 当社では、9年間に渡って企業向けの弁当宅配サービス「ごちクル」を展開しています。新規参入にあたってBtoBで約9年間積み上げてきた資産があります。BtoBにおける「資産」とは(1)法人顧客(2)委託先代理店を中心とした配送網(3)飲食店など弁当を製造する拠点ーーーのインフラです。
 特に、全国47都道府県に持つ配送網は有力な経営資源の一つです。当社も、ドライバーや配送代理店を確保することが重要になってきています。
 現状、法人向け弁当宅配は10時~14時までがピークです。一方で、それ以外の時間帯は配送がほとんどないため、提携する配送代理店の稼働率を高めることが課題でした。代理店が8時間しっかり仕事のあるクライアントに流れてしまうこともあるため、安定した仕事の提供がドライバー確保の条件となっていました。
 「ミールキット」は、日中忙しい主婦などの需要が見込まれるため、朝の早い時間や夕方といった、BtoBとは異なる時間帯で配送できることに着目しました。経営課題を解決する有効な手段になりうると考えました。サービス開始当初はヤマト運輸が配送するものの、将来的には既存の配送網によるデリバリーも視野に入れています。
 そのため、「ミールキット市場」ありきで参入したというよりは、当社の経営課題を解決する手段の一つでもあります。サービス開始までに、1年前から準備してきました。以前からヨシケイさんやタイヘイさんなどが提供していることは知っていましたが、その当時はここまで参入する企業が多くなるとは考えていませんでした。

 ーーーサービスの具体的な内容について教えてください。

 新サービス「ごちレピ」は、有名店のシェフが開発に携わります。2人分に同梱されるのはレシピや主菜、副菜の食材、専用調味料です。これを宅配で自宅へ届ける仕組みです。
 商品開発は、料理業界応援プロジェクト「CHEF―1」の協力を得て有名店やシェフの味を再現しました。誰でも短い時間で、簡単に作れることにこだわっています。
 第1弾として老舗洋食店「たいめいけん」の味を再現したオムライスや、坂井宏行シェフのグラタンとかぼちゃのサラダセットなど計8種類を販売しています。
 注文はネットで受け付け、2セットから注文できます。送料は無料で配送希望日の4日前まで注文を受け付けています。食材の製造は、北関東にある提携工場に委託しています。

 ーーー新規顧客開拓はどのように考えていますか。

(続きは、「日本ネット経済新聞」1月18日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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