【ギャレリア・ニズム 代表取締役 長野哲士】17年8月期売上高36億6000万円/”小売店の本質”をECで追求し毎年増収

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 かばんのECサイト「ギャレリア」を運営するギャレニア・ニズムも群馬県の有力なEC企業の一社だ。17年8月期のEC売上高は、前期比7.6%増の36億6000万円だった。04年のECスタートから毎年増収を続けている成長企業だ。「小売業の本質を意識し、EC上でもそれを実践している。成長はその結果の自然増」と話す長野社長。長野社長の考える〝小売業の本質〟とは何かということや、同社の目指す今後の方向性について話を聞いた。


■実店舗とECの壁をなくす

 ーーー毎年業績を伸ばしていますが、増収の要因は何ですか。

 EC事業を行う上で特別なことはやっていません。「ギャレリア」はEC事業者である前に小売業者です。〝小売業としての本質〟をEコマース事業の中でどう表現し、実践するかということを考えて事業を運営しています。システムやサービスの工夫という点では、他企業のほうがよほど進んでいるな、と思うことの方が多いのです。

 ーーー〝小売業の本質〟とは何ですか。

 「品ぞろえや接客など、全てのサービスがバランスよく整い、お客さまが安心して買い物を楽しめる」ということに尽きます。
 例えばページ作りという点をひも解いてみれば、「商品ごとのそれぞれの魅力を伝えたい」「画面上では伝わりにくい細かいところまで表現したい」ということになります。
 品ぞろえという点で見れば、「まだまだ提案できていない商品カテゴリーがたくさんあるため、品ぞろえをさらに強化していく」ということを考えています。
 4年前に物流部門のインフラを増強した際には、ECとリアルの融合を考えました。店舗と物流倉庫の機能を一つの建物におさめ、EC上の全ての商品をリアルでも提供できるようにしたのです。
 実店舗とECに壁を設けず、どちらでも同じサービスを提供する、〝小売業としての本質〟を表現・実践するという考え方が、ECの開始以来、当社には根付いています。現在進行形で、カバン・小物の専門小売業としての本質を意識し、事業を進めている最中です。


■カスタマーケア賞で評価を実感

 ーーー型番商品を扱う上で、他店と差別化している点は。

 実際のところ、突出して差別化のポイントと言えることはありません。ただ、さまざまなシーンで利用できる商品の提案や、品ぞろえの拡充は積極的に行っています。適切な商品管理や在庫管理は必須です。各商品のアピールポイントを明確にするということも同じく大事です。商品の配送や梱包に関しても、日々お客さまの声を参考に、現場に反映させています。全て基本的なことです。
 そういった点を14年続けてきて、お客さまに評価してもらえるようになったと感じています。当社は17年3月、ヤフーショッピング年間ベストストアの特別賞である「カスタマーケア賞」を2年連続で受賞させていただきました。

(続きは、「日本ネット経済新聞」11月16日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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