健康食品や化粧品を販売する協和(本社東京都、堀内泰司社長)は20年までに通販売り上げを現在の約2.3倍となる400億円にしていく考えだ。その上で欠かせないのがEC事業の強化。EC売り上げを全体の7割まで高めていく。「顧客志向」をさらに強め、人工知能(AI)など最新技術の活用も積極化する。EC事業や経営方針について、堀内泰司社長に聞いた。
■トータルケアを提案へ
ーーー17年1月期に化粧品の売り上げが健康食品を上回りました。その要因は。
累計で870万本を販売したプラセンタ原液シリーズのヒットが一番の要因です。余分な成分を入れない原液100%の処方と、使用されているスキンケア商品と併用できる点がお客さまに受け入れられていると思っています。
ただ、当社はもともとサプリから始まった会社。20年までにサプリと化粧品による内外からのトータルケアを提案できる体制を構築し、健康食品の売り上げも伸ばしていく計画です。
2年前に初めて中期経営計画を策定しました。20年までに売り上げ400億円規模を目指していきます。常時100万人規模のお客さまに購入してもらうことを想定し、若干の単価アップも視野に入れています。
ただ、売り上げをそれ以上に上げることは考えていません。お客さま一人一人とのコミュニケーションをさらに太くし、双方にとってウィンウィンとなるビジネスを心掛けていきたいです。
■ECで〝選べる定期セット〟
ーーーEC事業の戦略は。
17年1月期の通販売り上げ174億5000万円のうち、EC売り上げは33億4000万円でした。20年までにEC売り上げが全体の6~7割に達すると見ています。
今年11月中旬から、お客さまが好きな商品を組み合わせて注文できる「選べる定期セット(仮名)」を提供する予定です。
どんなによい商品であっても、使い続けると飽きがくるものです。注文する商品を毎月選べるため、当社が目指す「お客さま志向」を体現するサービスになると期待しています。まずはウェブで認知を広げてから、電話のお客さまにも展開していく計画です。
当社はVOC(ボイス・オブ・カスタマー)の分析にも力を入れていますが、このサービスからデータを得ることで普段声を聞くことができない多くのお客さまの声を可視化する狙いもあります。好きに商品を選んでいただくことが結果的にお客さまの「声」となり、趣味嗜好を把握できると見ています。
ーーー越境ECの業績は。
(続きは、「日本ネット経済新聞」9月14日号で)
【《ECサイト「fracora(フラコラ)」を運営》協和 堀内泰司 代表取締役社長】20年に売上400億へ/AIなど最新技術に積極投資
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