オリジナル化粧品の販売を行うあきゅらいず(本社東京都、南沢典子社長)は、4回に1回無料になる独自の定期購入システム「+1(プラスワン)定期便」の利用を顧客に対して促している。自社のコールセンターで提供している通信教育「すはだの学校・Sukule(スクレ)」の利用も促進。コールセンターを通じて行う、顧客とのコミュニケーションが重要な商品とのコミュニケーションが、同社の化粧品の根強いファンを作る結果につながっている。同社の16年6月期の全社売上高は14億円。その内、ECでの売上高は60%の7億7000万円だった。独自のCRM対策を行うあきゅらいずの南沢社長に、化粧品の販売戦略と顧客とのコミュニケーションについて話を聞いた。
■顧客の多くが自立した女性
ーーー御社の化粧品を利用する顧客で最も多いのはどういった層ですか。
当社のECサイトの顧客の内、最もボリュームのある層は40代女性で、40代女性が全EC顧客の約40%を占めます。30代後半から50代前半までというくくりにすると、全EC顧客の約70%にもなります。
当社は近年、お客さまと直接会って交流するイベントを多く開催しています。そうした取り組みの中で、長年当社の商品を愛用してくれているお客さまには、自分で事業を行っている方やアーティストなど、自立した女性が圧倒的に多いことが分かりました。ECサイトを利用するお客さまの割合は、04年当時から50%近くいました。かなり高い割合でしたが、自立した女性だからこそ、自分でPCの前に座って商品を検索する方が多かったのではないかと思います。
■全体の顧客の35%が定期便利用
ーーー4回に1回無料の「プラスワン定期便」を始めた経緯は。
「プラスワン定期便」は、肌のターンオーバーと同じ25日周期で商品が届きます。25日間は、当社の化粧品を、適切な量、毎日使用すると、ちょうど使い切るタイミングでもあります。お客さまが当社の商品の効果を最大限に実感しながら、お得に購入できるシステムになっています。現在では全顧客の約35%が利用しています。
「プラスワン定期便」は、私が美容部員として店頭に何年も立っていた経験から発見した、「七・五・三の法則」から生まれました。化粧品を使い始めると、約3カ月目で肌の調子が変わってきます。肌の調子がよくなると、他の化粧品も使ってみたいと思うようにもなります。その時に4回目の料金を無料にすることで、お客さまが引き続き定期便を利用しやすくしています。
同様に私の経験では、化粧品を使用して7カ月目もお客さまの気持ちが変わるタイミングだと考えています。「プラスワン定期便」では、8回目も無料ですから、購入を続けてくれるお客さまが多いです。新規顧客向けにDMを打ったり、ウェブに広告を出したりするよりも、効果が出る施策だと考えています。
ただ、5回目以降もお客さまが続けてくれないと、利益につながりません。4回に1回無料というお得感だけでなく、商品の効果をお客さまに実感していただけるように、電話でのカウンセリングで、お客さまに使い方などをきちんと伝えています。ですので、当社の一人当たりの電話対応時間は長く、1時間近くになることもあります。
■定期便の1ステップ上の通信教育
ーーー定期便と通信教育「スクレ」はどういったつながりがあるのです。
「プラスワン定期便」を購入しているお客さまのみ、通信教育を利用することができます。今まで「プラスワン定期便」を利用されていた方が、次のステップとして通信教育を利用してくれるようになっています。
(続きは、「日本ネット経済新聞」7月27日号で)
【「あきゅらいず」 南沢 典子 代表取締役】4回に1回無料の定期便が好調/独自のCRM対策で根強いファンづくり
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