中国のEC大手である京東商城が運営するECサイト「JD.com」は直販だけでなく、ECモール機能も提供している。16年3月末現在のアクティブユーザー数は1億6900万人。電子機器や家電などの取扱高が流通総額の半分を占めるが、現在はインテリア・キッチン用品などの家庭用品やアパレル分野の成長性が高いという。国内の大手メーカーなどもJD.comを通した販売に注力し、着実に売り上げを伸ばしている。同社の家庭用品部門でゼネラル・マネージャーを務める周新元氏にJD.comの強みや、同サイトを通して中国市場に参入するポイントを聞いた。
ーー周氏の担当は。
私はJD.comで家庭用品事業部門を担当しています。この部門は主に家具や建材、繊維、キッチン用品、日用雑貨などを扱っており、JD.comの中でも著しい成長を続けています。1万6000のパートナー企業を抱えており、国内外に知名度の高いブランドの商品を多数取り扱っています。米国や欧州、日本、韓国などの有名ブランドもあります。日本のTOTOやパナソニック、象印などの商品も販売しています。
近年、中国人の消費志向が高度化するにつれ、より多くの消費者が有名ブランドを求めるようになりました。そのため、当社も国際化、専門化を進め、品質の高い商品を充実させるための取り組みを強化しています。
ーーJD.comの強みは。
当社のビジネスモデルは二つ。一つは自分たちで仕入れて直販するモデル。もう一つは第三者にプラットフォームを開放し出店して販売していただくモデルです。私は家庭用品事業部門において二つのモデルを担当しています。
JD.comには、三つの優位性があります。一つ目は正規品のみを扱っていることです。模倣品を排除するシステムは非常に厳しく、出店者が違反した場合、非常に大きな代償を払うことになります。その仕組みがあるため、お客さまには正規品であることを保障できています。
二つ目は物流システムです。当社は自前の物流網を構築しており、より便利に、より迅速にお客さまのもとに商品を届けています。出店者は当社の物流システムを利用しなくてもいいですが、利用した方がメリットは大きいと思います。当社の中国にある物流倉庫全体の延べ床面積は430万平方メートルもあります。2500もの行政単位をカバーしています。この物流能力は中国でもトップレベルです。
高い物流能力に加え、「211」という業界唯一の特徴あるサービスを提供しています。お客さまが午前11時までに注文すれば当日中に商品が配達されるサービスです。11時以降に注文した商品は翌日に届きます。このサービスで当社は多くのファンを獲得しました。さらに、当社の物流システムを利用してもらえれば「代引き」を活用することもできます。
(続きは、「日本ネット経済新聞」9月1日号で)
【京東商城 家庭用品事業部門 ゼネラル・マネージャー 周新元 氏】JD.comで家庭用品、アパレルが急成長
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