《デジタルマーケ最新潮流》ヤフーマーケティングソリューションズカンパニー平岡雄太氏・リンクル代表取締役 川崎祐一氏/成長高い〝インフィード広告〟のこつ

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 デジタルマーケティングの潮流が急速に変化している。ユーザーのスマホシフトが加速する中で注目を集めているのが「インフィード広告」だ。ヤフー・マーケティングソリューションズカンパニーの平岡雄太氏は「旧スマホ広告と比べ、インフィード広告のクリック率は2・2倍、コンバージョンレート1・2倍の成果を上げている(※)」と言う。さらに、ウェブ広告の運用力に定評のあるリンクル(本社東京都、(電)03―6380―1651)の川崎祐一社長は「インフィード広告で成果を上げるためにはこつがある」と語る。

 ーーデジタルマーケのトレンドは変化しているのですか。


 川崎 当社は定番の検索連動型(リスティング)広告からディスプレー広告、SNS広告、動画広告など幅広く手掛けています。テレアポ営業を一切行わず、広告運用に注力することでクライアントに高い成果をお返ししています。意欲的な中小企業から大手企業まで幅広く支援していますが、確かにトレンドは変化しつつあると思います。リスティング広告など定番の広告手法も成果を上げていますが、ニュースなどのタイムライン上に表示できるインフィード広告の成果が高まっています。

 平岡 当社は昨年5月にスマートフォン版「Yahoo! JAPAN」トップページ、および「Yahoo! JAPANアプリ」をタイムライン型のデザインにリニューアルし、それに伴いインフィード広告を導入しました。導入から1年が経過しましたが、インフィード広告を利用する企業は増加しています。



 ーーインフィード広告を利用する企業が増えているのはなぜですか。


 平岡 インフィード広告はクリック率やコンバージョンレートが高く、利用企業からは、「非常に効果が出ている」というお声をよくいただきます。インフィード広告はニュースなどのタイムライン上に最適な形で挿入されるため、ユーザーは自然に広告の情報を読み込み、アクションを起こしているようです。そのため、従来バナー広告ではアクションを起こさなかったユーザー層へもアプローチできるようになりました。このようなことが、利用企業から反響を呼ぶ一因ではないか、と考えています。



 ーーインフィード広告で成果を上げるこつは。


 川崎 サイトやランディングページ(LP)は頻繁に改修するのに、広告の内容はずっと同じというEC企業もあります。ユーザーも同じ広告ばかりだと見飽きて、クリックしなくなります。特にインフィード広告は読ませることが重要ですので、見せ方にバリエーションを持たせた方が効果的ですね。

 平岡 例えば健康食品を取り扱う通販会社の場合、LPでは成分訴求などコンテンツをしっかりと作り込んでいるのに、その入り口となる広告が商品紹介にとどまっているケースがあります。LP内の効果的なコンテンツを広告の表現として見せることにより、ユーザーの興味を引き付ける広告が作成できます。

 川崎 広告とLPの連動性はかなり重要です。広告は工夫していてもLPがワンパターンだったり、中には広告でアピールした内容がLPではあまり触れていないケースもあります。それでは期待感を持って広告からECサイトに入ってきたユーザーが商品を購入するわけがありません。当社では広告の配信だけでなく、LPなどのコンテンツ制作まで社内で手掛けています。提携メディアで記事コンテンツを配信し、広告のLPとして活用することもできます。薬事法管理者資格を持った社員もおり、広告の審査体制も整えています。



 ーーパートナー選びも重要なのですね。


 平岡 広告配信後に、広告やLPの内容を調整することで成果を高めることもできます。広告配信から制作まで一気通貫でできるのはリンクルさんの強みですね。

 川崎 当社ではヒートマップなどを用いてLPの効果測定を行っています。リターゲティングリスト(サイトを訪問したユーザーのリスト)にインフィード広告を配信するなどさまざまな広告運用についてご提案できます。こうした運用面の強みが評価され、ほとんどのクライアントと長いお付き合いができています。

※ ヤフーが3~6月の一部期間で実施したバナー・テキストバナー広告とインフィード広告の反響率を調査したデータ

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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